第62話:今さら戻ってこいだと? ……断る!!
「ユ、ユートス! おお、我が王国の誇れる英雄よ! よくぞ戻ってきてくれた!!」
魔王軍が俺の一撃で壊滅したのを見るや否や、国王が手のひらを返して駆け寄ってきた。
「さあ、早くその空飛ぶ城を城内に着陸させるのだ! そして、その女たちを我が軍の配下に加え、魔界まで攻め込むぞ! 貴様を公爵にしてやろう、いや、私の娘を嫁にやってもいいぞ!!」
国王の浅ましい叫びに、俺の隣に立つ聖女イシュタルが、氷のような冷笑を浮かべた。
「……愚かですね。このお方の隣に立てるのは、魂の契約を交わした私たち家族だけです。貴方の汚れた血筋など、ユートス様の足元にも及びませんわ」
「な、なんだと……!? 聖女イシュタル様!? なぜ貴女が、この無能と……っ!」
アレスもまた、必死に俺に縋り付こうとする。
「そうだぜユートス! 俺たち親友だろ!? さっきのは冗談だよ、ちょっとしたテストだったんだ! さあ、俺をその城に乗せてくれ! その女たち、何人か俺に分けてくれてもいいだろ!?」
アレスが俺の後ろに控えるリリアやフィオナを、下卑た目で見つめる。
その瞬間、アリエルの剣がアレスの喉元に突きつけられた。
「……次、ユートス様の家族を汚い目で見たなら、その場で首を刎ねますわよ。クズ」
アリエルの瞳には、純粋な軽蔑しかなかった。
俺はゆっくりとアレスを見下ろし、冷酷に告げた。
「……アレス。お前、何か勘違いしてないか?」
「え、え……?」
「俺は、お前たちを助けに来たんじゃない。……ただ、俺の愛する家族が住むことになるこの世界から、害虫(魔王軍)を駆除しに来ただけだ。……お前たちのようなゴミは、その駆除対象に含まれている」
「な……っ!? な、何を言っているんだ! 戻ってきてくれ、ユートス! 頼む、お前がいないと、この国は……!!」
「……断る」
俺は一言、それだけを言い放った。
「俺には、俺を信じ、俺と共に戦い、俺を愛してくれた200人の家族がいる。……お前たちのような、都合のいい時だけ縋り付くハイエナの居場所なんて、俺の人生のどこにもないんだよ」
俺が背を向けると、城から数千の光の鎖が伸び、王都の貴族や腐敗した騎士たちを縛り上げた。
「……お前たちの罪は、これからこの国の民衆が裁く。……俺は、もうお前たちに興味はない」
「待ってくれ! ユートス!! 行かないでくれぇぇぇ!!」
背後で響く、かつての支配者たちの惨めな叫び。
それを聞き流しながら、俺は200人の嫁たちと共に、誇らしく空飛ぶ城へと戻っていった。
これこそが、最高の復讐。
殺す価値すらないと切り捨てられ、自分たちが捨てた「無能」が、自分たちの手の届かない神の領域へ行ったことを突きつけられる絶望。
「……さあ、みんな。ゴミ掃除は終わりだ。……次はいよいよ、この世界の元凶を叩きに行くぞ」
【作者からのお願い】
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