第57話:移動する城、聖教国へ! 途中の街々での「お返し」救済
『ハーレム・キャッスル』は聖都を目指すが、その道中にある教会の直轄領――いくつもの街や村は、重税と『異端狩り』による恐怖政治に喘いでいた。
空を覆う巨大な城の影に、民衆は最初、魔王軍の襲来かと怯え、教会の衛兵たちは必死に矢を放った。
「……無駄だ。そんな錆びた矢で、俺の家族は傷つかない」
俺は城のテラスから地上を睥睨し、静かに右手をかざした。
「――【全能の主:慈悲の光】」
俺から放たれたのは、破壊の雷ではなく、温かな黄金の魔力。
それは雨のように街へと降り注ぎ、病に苦しむ者の身体を癒し、枯れかけた大地に緑を蘇らせ、そして人々の心に巣食っていた『教会の洗脳』を溶かしていった。
「な、なんだ……!? 身体の痛みが、消えたぞ!?」
「教会の神父様が言っていた『呪い』が……一瞬で浄化された……!!」
民衆が驚愕して空を見上げる中、城から170人の美女たちが、それぞれの役割を持って地上へと舞い降りた。
エルフのリリアたちが食糧を配布し、聖女エレノアが重病人を癒し、アリエル率いる騎士団が、民を苦しめていた教会の悪徳役人たちを「ざまぁ」と言わんばかりに一人残らず叩きのめしていく。
「貴様ら! 神の代理人である我々に逆らうとは、地獄へ堕ちるぞ!」
肥え太った神父が喚くが、ベアトリクスが一閃。
「……地獄へ行くのは、お前たちだ。……私たちの主、ユートス様こそが、この地上の唯一の光。……お前たちの神は、もうここにはいない」
元・異端審問官であるベアトリクスの言葉には、凄まじい重みがあった。
昨日まで教会を恐れていた女性たちが、誇らしげに戦うベアトリクスたちの姿に、次々と勇気を得て立ち上がる。
「……ユートス様。この街だけでも、さらに30名の女性たちが『共に戦いたい』と申し出ていますわ」
セレスティアが報告に来る。
彼女たちは、教会に夫や子供を奪われ、自分たちも『生贄』にされかけていた、強い意志を持つ娘たちだ。
「……わかった。城に乗せろ。……俺が、彼女たち全員に新しい人生を、そして『愛』を、一生かけて与えてやる」
各地の街を救うたびに、城には新しい家族が増えていく。
それはもはや軍勢ではない。俺を慕い、俺を愛し、俺のために全てを捧げることを誓った、美しき信徒たちの「国」そのものだ。
『合計契約人数:195名。……200人まで、あと5名です』
「……あと少しだ。聖女イシュタル。そして、教皇……」
俺の背後には、今や195名に膨れ上がった嫁たちの、熱い視線と魔力の奔流がある。
移動要塞『ハーレム・キャッスル』は、救済の光を撒き散らしながら、ついに聖都セレスティアの防壁をその射程に捉えた。
教会の権威が崩れ去る音が、空の彼方から聞こえ始めていた。
【作者からのお願い】
ついに人数は195名!あと5名で、物語最大の節目である「200人」に到達します。聖教国の圧政を打ち破り、民衆を救いながら進むユートスの姿にワクワクした方は、ぜひ**【評価(★★★★★)】と【ブックマーク】**をよろしくお願いします!次話、ついに聖都での最終決戦が始まります!




