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第56話:聖女イシュタルの涙! 遠く響く救いの声

『ハーレム・キャッスル』に、新たに加わったベアトリクスたち30名の元審問官。

彼女たちは今や、教会の白銀の鎧を脱ぎ捨て、俺の用意した柔らかな絹のローブを纏い、城内の広大な大浴場で身を清めていた。

「……あ、ありえない。こんなにも……こんなにも心が安らぐなんて。私たちは、今まで何を信じていたの……?」

ベアトリクスが、俺の魔力に当てられ、とろりと潤んだ瞳で湯船に浸かっている。彼女の背中には、教会の洗脳から解かれた証として、俺の『家族の紋章』が刻まれていた。

だが、宴に沸く城のテラスで、俺は独り、遥か彼方にそびえ立つ聖教国の首都『聖都セレスティア』を見つめていた。

そこには、この世界の信仰の象徴である空中宮殿があり、一人の女性が幽閉されている。

「……イシュタル。……あの日から、君はまだ、あの暗い塔の中にいるのか」

イシュタル。

俺が王都で『無能』と蔑まれ、追放されたあの日。彼女だけは、教会の奥深くから「貴方は間違っていない」と、念話で俺に声をかけてくれた。彼女こそが、この腐りきった聖教国で唯一、本物の『奇跡』を宿した聖女だ。

その時、俺の【真理の眼】が、空間を越えて彼女の姿を捉えた。

暗く、神聖という名の冷気に満ちた最上階の寝室。

イシュタルは、魔力を強制的に絞り出すための魔導拘束具を身に付け、涙を流しながら祈っていた。

「……神様。……いいえ、神様なんていない。……どうか、あの時の、黄金の魔力を持つ方……。……私を、ここから連れ出して……。……この力、もう、耐えられないの……」

彼女の祈りに、教皇――魔王の手先となった腐敗の元凶――が嗤う声が重なる。

「くくく……。泣け、喚け、イシュタル。貴様の涙こそが、民衆を跪かせる聖なる雫となるのだ。……まもなく、あの異端者ユートスがこの地に現れる。貴様のその力で、奴を『悪魔』として焼き払ってもらうぞ」

その映像を、俺の脳内で共有していた170人の嫁たちが、一斉に殺意を露わにした。

「……許せない。同じ女性として、そして愛を分かち合う家族として、あんな外道、万死に値しますわ」

フィオナが魔導スクリーンを握りつぶさんばかりに拳を握る。

「ユートス様。……行きましょう。あの方がいたから、今の貴方様があるのです。今度は、私たちが彼女を救う番です」

リリアが俺の手にそっと自分の手を重ねた。

「ああ、決まってる。……イシュタル。待ってろ。……170人の……いや、ベアトリクスたちを含めた全軍で、お前を迎えに行く」

俺は操舵室のレバーを全開にした。

移動要塞『ハーレム・キャッスル』。

その推力エンジンが、170人の魔力供給を受けて凄まじい轟音を立てる。

「目標、聖都セレスティア! 教会の連中に、本物の『救済』がどんなものか、骨の髄まで教えてやる!!」

城が加速し、雲海を裂いて飛翔する。

王都追放から始まった物語は、今、最大の元凶である聖教国との全面戦争へと突入した。


【作者からのお願い】

ついに最後のヒロイン、聖女イシュタルの窮状が明らかになりました!彼女を救い出すための、200人規模の総力戦が始まります。この逆転劇、見逃せない!と思った方は、ぜひ**【ブックマーク】**登録をお願いします!皆様のブクマが、聖都を粉砕するユートスの怒りの一撃を加速させます!

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