第55話:異端審問官の末路! 170人の「正義」
雲海を切り裂き、聖教国エリュシオンの国境付近を飛行する『ハーレム・キャッスル』の前に、銀翼の騎獣に跨った一団が現れた。
白銀の全身鎧に身を包み、背中には太陽を模した紋章の意匠。聖教国が誇る最精鋭、異端審問騎士団『ジャッジメント・レイ』だ。
「――止まれ、大罪人ユートス! これ以上聖域を汚すならば、神の名において貴様とその『淫らな城』を地の底へ叩き落としてくれる!」
先頭で叫ぶのは、冷徹な美貌を持つ女騎士長・ベアトリクス。その瞳は狂信に近い光を宿しており、手に持つ魔導槍は、異端を自動追尾して焼き尽くすという聖遺物であった。
「淫らな城、か。ずいぶんな言いようだな、ベアトリクス」
俺は城のテラスから、眼下に展開する数百の騎獣部隊を見下ろした。俺の隣には、アリエル、リリア、セレスティアといった170人の嫁たちが、それぞれの武器を携えて静かに佇んでいる。
「ユートス様。彼女たちは自分たちが『正義』だと信じ込んでいます。……説得は無意味ですわ」
セレスティアが杖を構える。彼女たち学園の魔導士にとって、教会の独善的な教義は天敵そのものだ。
「ベアトリクス。……お前たちは『神の意志』を口にするが、その裏でどれだけの罪なき女性たちが『異端』として処刑されてきた? 俺は、その歪んだ正義から彼女たちを守るためにこの城を築いたんだ」
「黙れ、汚らわしい! ――全軍、突撃! 浄化の炎で、この悪の根源を焼き払え!!」
ベアトリクスの号令と共に、数百の魔導槍から一斉に神聖光が放たれた。空を埋め尽くす光の矢。通常の浮遊城なら一瞬で撃墜される規模の猛攻だ。
だが、今の俺たちには『神域の法典』と170人の魂の絆がある。
「――【神域展開】:『170人の盾』」
俺が指先一つ動かさず念じるだけで、城を包む黄金の半透明な結界が、数百の発の光条を全て弾き返した。
それだけではない。170人の嫁たちの魔力が、俺という一点を通じて「調和」し、逆に審問官たちの魔力回路に干渉し始めたのだ。
「な、なに……!? 私の槍が、輝きを失っていく……!? 身体が、急に熱くなって……」
ベアトリクスが苦悶の表情を浮かべ、騎獣の上で身をよじった。
俺の【全能の主】が放つ魔力は、彼女たちの「不純な信仰」を内側から溶かし、女性としての本能を呼び覚ます『愛の波動』へと変質している。
「あ、あぁぁ……っ! 嫌……、この感覚……! 私の中に、誰かが……知らない男の人の声が、直接響いてくる……っ!」
審問官の女騎士たちが、次々と武器を落とし、恍惚とした表情で俺を見上げる。彼女たちが守ってきた『清貧』の誓いは、俺の圧倒的な『主としての色気』と『王の威圧』の前に、一瞬で崩れ去った。
「ベアトリクス。……お前の神様は、こんなにもお前を飢えさせていたのか? ……可哀想に。俺なら、お前のその乾いた魂を、一晩で潤してやれるぞ」
俺は空中に踏み出し、重力を無視してベアトリクスの目の前へと転移した。
彼女の美しい顎を指でクイと持ち上げる。
「ひ、っ……。……主、様……。……私、私は……」
狂信者の瞳から光が消え、代わりに俺への深い帰依と、抑えきれない渇望が宿った。
ジャッジメント・レイ。教会の誇る最強の女騎士団は、一合も交えることなく、俺の放つ『王のオーラ』だけで、全員が俺の足元に膝をついた。
『追加契約候補:異端審問騎士団30名を確認。……合計契約人数:200名まで残り30名です』
「さあ、お城へ来い。お前たちの本当の『天国』を見せてやるよ」
【作者からのお願い】
教会の誇る女騎士団を、戦わずして心酔させてしまいました!「愛は信仰よりも強し」という展開にスカッとした方は、ぜひ**【ブックマーク】と【評価(★★★★★)】**をお願いします!あなたの応援が、ベアトリクスの「堕ちた」後の様子をさらに濃密にします!




