第49話:152人の円舞曲(ワルツ)! 四腕の剣聖を圧倒せよ
「――消えろ、人間。貴様の存在そのものが、我が剣の錆となることすら汚らわしい」
四天王最後の一人、『剣聖魔バロール』が四本の腕を微動だにさせず、冷徹な声を響かせた。
彼が纏う剣気は、それだけで周囲の石造りの書架を砂へと変え、空気そのものを切り刻んでいる。これまでの魔人たちとは次元が違う。彼は、ただひたすらに「斬る」ことのみを追求し、魔王から授かった神話級の四魔剣を、自らの神経の一部として完全に掌握していた。
「……ユートス様、下がってください! この男、今までの四天王とは『格』が違いますわ!」
聖騎士アリエルが剣を構えるが、その指先が微かに震えている。本能が、死を予感しているのだ。
だが、俺は不敵に笑い、アリエルの肩を優しく抱き寄せた。
「アリエル、忘れたのか? ……俺の後ろには、お前たちがいるんだ。……そして今、俺たちの絆は『神域の法典』によって、常に一つに繋がっている」
俺が右手を掲げると、法典から黄金の光が溢れ出し、図書室内を埋め尽くした。
「――【常時神域実体化】:『百花繚乱の舞』」
「な……ッ!?」
バロールの四つの瞳が驚愕に見開かれた。
俺の背後から、リリア、フィオナ、カトレイア、ガルラ、シロネ……そして新しく加わったセレスティアやルナ。152人の嫁たちが、一斉に実体化し、戦場を極彩色のオーラで染め上げたのだ。
「ふん……。数を増やしたところで、我が一振りの前には無価値よ! ――『四魔連斬・空断』!!」
バロールの四本の腕が、視認不可能な速度で動いた。
上下左右、逃げ場のない死の格子状の斬撃が俺たちを襲う。
だが。
「……甘いわね。そんな単調な攻撃、私の魔法演算の敵じゃないわ」
学園長セレスティアが指先を鳴らす。
瞬間、俺の目の前に152人分の魔力を重ね合わせた『多層重合結界』が展開された。
キィィィィィィィン!!
神話級の魔剣が結界に弾かれ、火花を散らす。
「なにッ!? 我が全力の一撃を、防いだと……!?」
「次は、俺たちの番だ。……みんな、いくぞ!」
俺の合図と共に、152人の乙女たちが、まるで華麗なダンスを踊るように戦場を駆け巡った。
エルフの弓聖たちが光の矢を降らせ、獣人の戦士たちが死角から爪を振るい、聖騎士たちが盾となって敵を追い詰める。
バロールが一本の腕でエルフの矢を弾けば、その隙に逆側から獣人の一撃が放たれる。
「ガ、ハッ……!? どこから……いや、全員が、まるで一人の生き物のように連携しているというのか!?」
「……正解だ。152人の意識は、俺を介して『神域の法典』で同期されている。……お前が一人を相手にしている時、お前は152人全員と戦っているのと同じなんだよ」
俺は一瞬でバロールの懐へと踏み込んだ。
「――『古竜雷・百五十二連・乱舞』」
俺の剣戟に、152人それぞれの「得意属性」がランダムに、かつ最適のタイミングで付与される。
炎の衝撃が、氷の刺突が、雷の斬撃が、バロールの強固な鎧を無惨に引き裂いていく。
「お、ぉぉぉぉっ!! この私が……人間に、圧倒されるだと……!!」
誇り高き剣聖魔が、膝をつき、血を吐きながら絶叫した。
だが、これはまだ序章に過ぎない。
152人の「愛の暴力」は、ここからさらなる絶頂(極致)へと向かう。
【作者からのお願い】
ついに始まった四天王バロールとの最終決戦!152人の「数の愛」に圧倒される剣聖の姿にスカッとしたら、ぜひ**【ブックマーク】と【評価(★★★★★)】**をお願いします!あなたの応援が、次話のユートスのさらなるチートを呼び覚まします!




