第48話:神域の法典! 100人同時召喚の真実
『終焉の図書館』の最深部。そこには、星々の輝きを凝縮したような、透き通るクリスタルの書物が台座の上に浮かんでいた。
それこそが、フィオナが追い求め、魔王軍が狙っていた禁忌中の禁忌――『神域の法典』。
「……ついに、見つけたわ。これがあれば……」
フィオナの手が、震えながらその書物に伸びる。
だが、その時、法典から眩い光が放たれ、一つの巨大な立体魔法陣が俺たちを包み込んだ。
『――資格を問う。100の魂を背負いし王よ。汝は、彼女たちの人生を、その快楽も、苦痛も、死さえも、全てを背負う覚悟があるか?』
頭の中に、重厚な意思が直接響いてくる。
法典そのものが持つ、防衛システムだ。
「……覚悟? そんなもの、王都を追い出されたあの日、最初にリリアを救った時に決まってる」
俺は一歩前へ出て、フィオナの手の上に自分の手を重ね、共に法典へと触れた。
「俺は彼女たちを、ただの『召喚物』だなんて思っちゃいない。……俺の、家族だ。100人だろうが、1000人だろうが、全員を世界で一番幸せにする。それが俺の唯一の『ルール』だ」
その宣言に応えるように、152人の嫁たちが一斉に叫んだ。
「「「「「「私たちの魂は、永遠にユートス様と共に!!」」」」」」
パキィィィィィィィン!!
法典を覆っていた封印のクリスタルが砕け散り、膨大な知識の奔流が、俺とフィオナの脳内へと流れ込んできた。
『承認完了。……隠しスキル【常時神域実体化】が解放されました』
『効果:契約者全員が、魔力の消費なしで常にこの世界に実体化し続けることが可能になります。……さらに、契約者の人数に応じて、拠点の広さが「無限」に拡張されます』
「……すごい。これ、現実なの……?」
フィオナが呆然と呟く。
これまで、嫁たちは魔力節約のために一部を召喚解除したり、トレーラーの中に控えさせたりしていた。だが、これからは152人全員が、常に俺の傍で笑い、語らい、戦うことができる。
「……ユートス様。見てください」
セレスティアが指差す先。
移動要塞『ハーレム・ゴー』が、法典の魔力と共鳴し、みるみるうちに巨大な「城」へと変貌していく。
移動する国家。まさに、俺たちの『ハーレム王国』が、物理的な形を持って現れたのだ。
だが、喜びも束の間。
図書館の天井が轟音と共に崩れ落ち、そこから漆黒の雷鳴が降り注いだ。
「――やはり、ここか。ネズミ共が、神の道具を勝手にいじりおって」
崩落した瓦礫の上に降り立ったのは、四つの腕を持ち、その全てに異なる魔剣を握った巨漢の魔人。
四天王最後の一人――『剣聖魔バロール』。
フェンリルやゼノスを遥かに凌ぐ、純粋な「武」の頂点に立つ男だ。
「バロール様……! なぜここに!?」
新しく仲間になったリリスが、恐怖に顔を引きつらせる。
「リリス、裏切り者の処分は後だ。……人間、その法典を渡せ。さもなくば、ここにいる152人の女共を、一人ずつダルマにしてから殺してやる」
バロールが放つ剣気が、図書館の石柱を豆腐のように切り裂いていく。
その圧倒的な殺意に、数人の女子生徒たちが恐怖で腰を抜かした。
だが、俺は不敵に笑った。
「……バロール。残念だったな、お前が来るのがあと五分早ければ、少しは苦戦したかもしれない」
俺は、新しく手に入れた法典を高く掲げた。
「……今は、152人全員が『実体化』して、俺の魔力と直結してるんだ。……お前の剣、俺の嫁の一人も掠めることはできないぞ」
「……ほざけ!!」
バロールが四本の腕を振り上げ、次元を切り裂く一撃を放つ。
だが、それを防いだのは、俺ではない。
152人の嫁たちが、一糸乱れぬ動きで陣形を組み、それぞれの魔力を重ね合わせた、巨大な黄金の盾だった。
「「「「「「私たちの王に、触れさせない!!」」」」」」
152人の乙女たちの咆哮。
魔法学園編、ついに最終決戦の幕が上がる。
【作者からのお願い】
ついに152人全員が常に実体化!移動要塞がお城になりました!物語は四天王最後の一人、バロールとの決戦へ。続きが楽しみ!と思ってくださった方は、ぜひ**【ブックマーク】と【評価】**で応援をお願いします。読者の皆様の評価が、次のバロール戦の「お返し」をさらに豪華にします!




