第44話:女子寮の危機! 影に潜む魔力泥棒
セレスティアを「満タン」にした後、俺たちは彼女の案内で学園の地下深くへと向かった。
魔力ドレインの原因を突き止めるためだ。
「……あ、あの、ユートス様……。先ほどは、失礼いたしました……。まさか、あんなに……声を上げてしまうなんて……」
衣服を整えたセレスティアだが、その頬はまだ赤く、歩くたびに俺の腕に身体を寄せてくる。一度俺の魔力を味わった彼女は、もはや俺の側から離れられない体質になっていた。
「気にするな。……それより、ドレインの源はこの先か?」
「ええ。この地下には、学園創設時から伝わる『魔力源泉』があるのですが……。……あら? あれは……」
地下廊下の角を曲がった先で、一人の少女がへたり込んでいた。
ルナ――俺の嫁の一人であるフィオナの知り合いで、この学園でも指折りの魔導具オタクとして知られる少女だ。
「……ルナ! 大丈夫か!?」
「……あ、フィオナさん……。ユートス、さん……。……逃げて、ください。……女子寮の地下から、変な……タコみたいな影が……みんなの、魔力を……っ」
ルナの指差す先、女子寮へと続く通路が、どろどろとした黒い粘液に覆われていた。
魔王軍の刺客、吸魔王の眷属だ。
彼らは女子生徒たちが眠る寮の地下に巣食い、彼女たちの夢を通じて魔力を直接吸い上げているのだ。
「……不潔な奴らだ。俺の嫁候補たちに何て真似を」
俺は一歩踏み出し、黒い粘液を焼き払った。
「……みんな。女子寮の各フロアに分かれて、生徒たちを保護しろ。……魔力を吸われて動けない娘がいたら、俺の魔力を分けてやっていい。……俺とパスを繋げ!」
「了解よ、ユートス! 私たちの絆、見せてあげるわ!」
アリエルやリリアたち100人の嫁たちが、一斉に女子寮へと駆け込んでいく。
彼女たちは俺からの魔力供給を受け、歩くパワースポットと化していた。彼女たちが部屋に入るだけで、弱っていた生徒たちが「あぁ……っ、なんだか元気が出てきた……」と、次々に復活していく。
俺はルナを抱き上げ、直接女子寮の最下層へと向かった。
そこには、巨大な肉塊のような魔物が、何百本もの触手を寮の壁に突き立て、魔力を吸い上げている姿があった。
「……見つけたぞ、魔力泥棒」
「ギ、ギギッ……!? 人間、邪魔をするな! この少女たちの魔力は、魔王様への最高のお布施――」
「お布施だかなんだか知らないが。……俺の女たちに触れていいのは、俺だけだ」
俺は右手を軽く振った。
「――『古竜雷・震天』」
抜刀の衝撃波すら発生しない。
ただ、俺が言葉を発した瞬間、巨大な肉塊は内部から黄金の雷に貫かれ、断末魔の叫びを上げる暇もなく消滅した。
「……す、すごい。……あんな一瞬で……」
ルナが俺の首に腕を回し、瞳を輝かせる。
「……ユートスさん。……私にも、学園長にしたみたいに、熱いの……分けてくれますか?」
『魔導具師ルナ、および女子寮の生徒50名との「暫定契約」が成立しました』
『合計契約人数:151名。……ステータス上昇率が指数関数的に増大します』
救済は、まだ始まったばかりだ。




