第41話:祝祭の夜と、新たなる旅立ちの予感
獣人国の中心地『万獣の都』は、三日三晩にわたる祝祭の熱気に包まれていた。
広場には所狭しとテーブルが並べられ、人間、エルフ、そして多種族の獣人たちが、種族の垣根を超えて勝利を祝っている。
だが、主役である俺は、都の最上階にある王宮のテラスで、100人の嫁たちに囲まれて「贅沢すぎる攻め」に遭っていた。
「ユートス様、あーんしてくださいな。これは獣人国でも数年に一度しか獲れない、極上の黄金果実ですわ」
巫女シロネが、瑞々しい果実を自分の口に含み、そのまま俺の唇へと運んでくる。
「こら、シロネ! 抜け駆けはダメだって言ったでしょ! ユートス、こっちの肉料理も食べて!」
ガルラが俺の腕に尻尾を巻き付け、反対側から迫ってくる。
100人。
数字にすれば簡単だが、実際にその全員の愛を一身に受けるというのは、まさに「嬉しい悲鳴」の極致だ。
だが、今の俺には【全能の主】の加護がある。100人の相手を一晩中しても、翌朝にはさらに元気が溢れてくるという、文字通りの絶倫状態だ。
「……ユートス様、少しよろしいでしょうか」
喧騒から少し離れた場所で、カトレイアが真剣な表情で俺を呼んだ。
その側には、事務官のエレインと、魔導士のフィオナも控えている。
「どうした、カトレイア。こんなめでたい夜に、難しい顔をして」
「……獣人国を救い、100人の契約を達成した今、貴方の存在はもはや世界の均衡を揺るがすものとなっています。……そして、魔王軍の本体も、本気で貴方を『抹殺対象』として認識し始めました」
エレインが手に持った魔導報告書を広げる。
「……北の果て、魔界に最も近い場所に位置する『魔法学園都市アイギス』。そこで、魔王軍による大規模な『魔力枯渇』の予兆が観測されました。……このままでは、世界の魔力の源が枯れ、全人類が魔法を使えなくなる恐れがあります」
「……魔法が使えなくなる? それはマズいな。嫁たちの生活にも関わる」
「それだけじゃないわ、ユートス」
フィオナが俺の目をまっすぐに見つめた。
「アイギスには、私がずっと探していた『禁忌の魔導書』があるはずなの。……100人以上の契約を安定させ、さらに彼女たち全員を同時に実体化させたまま維持するための、最後のピースが」
100人同時召喚、そしてその先へ。
俺のハーレム国家を真に盤石なものにするためには、まだ手に入れるべき知識と力がある。
「……決まりだな。祝祭が終わったら、北へ向かう」
俺がそう宣言すると、いつの間にか話を聞いていた100人の女性たちが、力強く頷いた。
「どこへでも付いていきますわ、私たちの王様」
「魔法学園都市ね。……ふふ、制服を着た新しい『お友達』が増えそうな予感がするわ」
リリアが少し意地悪く笑いながら、俺の首に腕を回した。
獣人国を後にし、次なる舞台は才女たちが集う学園都市。
俺の「嫁集め」という名の世界救済は、さらなる加速を見せようとしていた。




