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第35話:商都メティス編、完。黄金の誓いと次なる戦場

砂漠の静寂を切り裂くように、移動要塞『ハーレム・ゴー』の展望デッキで祝杯の音が響く。

ミャオの里を魔族の支配から解放し、55名となった契約者たちの魔力が、フィオナが誇る『魔力中継槽エーテル・サーバー』を通じて、俺の体へと絶え間なく流れ込んでいた。

「……ユートス様、改めて。商都メティスにおける全ての工程、そして拠点化の完了。心よりお祝い申し上げますわ」

夜風に長い髪をなびかせ、カトレイアが俺の隣に並び立つ。

彼女は今夜、商会長としての仮面を脱ぎ捨て、一人の女性として、俺への「献身」を証明するための装いをしていた。透き通るようなシルクの薄衣は、月光を浴びて彼女の成熟した身体の曲線を露骨に浮き彫りにしている。

「カトレイア……。あんたがいなければ、この巨大な『動く国家』は完成しなかった。感謝してる」

「感謝など、言葉だけでは足りませんわ。……私を、これまでの『協力者』ではなく、真の意味で貴方の『魂の一部』に刻んでいただきたいのです」

彼女が俺の手を取り、自らの豊かな胸元へと導く。

そこには、契約の紋章が脈動していた。

「……わかった。カトレイア、お前の覚悟……受け取るよ」

俺が彼女の腰を強く引き寄せると、周囲で見守っていたフィオナやリリア、そしてミャオたちからも熱い吐息が漏れた。

「【無限召喚:深淵契約ディープ・シンクロ】!!」

俺の紋章から溢れ出した黄金の奔流が、カトレイアを包み込む。

その瞬間、脳内にこれまでにない情報の濁流が押し寄せた。

55人分の魔力、感情、生命力。それらがカトレイアという「ハブ」を通じて一つに収束し、俺のステータスを物理的な限界を超えた「神格」の領域へと押し上げていく。

『警告:契約者55名による魔力統合。……第2段階「魂の多層化」を達成』

『新スキル【軍団の威光レギオン・オーラ】が発動。……ユートスの半径100メートル以内にいる契約者は、魔力が無限に回復し、不死に近い再生能力を得ます』

「あ……あぁぁっ……すごい……! ユートス様、貴方の全てが、私の中に……!!」

カトレイアが恍惚の表情で俺の肩に噛み付く。

彼女の魔力が俺に流れ、俺の魔力が彼女を書き換えていく。

この瞬間、商都メティス最強の女傑は、名実ともに「ユートスの最愛の盾であり矛」へと進化したのだ。

階下のラウンジでは、55人の美女たちによる狂乱の宴が続いていた。

リリアが猫獣人のミャオと意気投合して酒を酌み交わし、護衛兵たちがメイドたちと訓練の成果を語り合う。

種族も立場もバラバラだった彼女たちが、俺という一点を通じて「家族」となり、一つの「国家」として機能し始めている。

「……ユートス。見て、あそこ」

フィオナが震える指で、夜空の最果てを指差した。

黄金の草原のその先、獣人国の中心地『万獣の都』の上空。

そこには、空を覆い尽くすほどの禍々しい「紫の雷雲」が渦を巻いていた。

「……待たせてくれたな、人間。ベリアル、メロウ、フェンリル……我が同胞を三匹も屠ったその力、称賛に値する」

不気味な声が、風に乗って耳元で囁かれた。

それは、数千キロ離れた場所から放たれた、強大な魔力による「念話」だ。

「……誰だ」

「我が名は魔人王が右腕、四天王をも統べる大将軍――ゼノス。……獣人国ガルダルクは、間もなく魔王軍の完全なる『苗床』となる。……貴様が100人の女を集めるのが先か、我が貴様の首をコレクションに加えるのが先か。……聖域にて、最高の絶望を用意して待っているぞ」

紫の雷鳴が轟き、念話が途絶える。

周囲の空気が一瞬にして凍りつき、55人の美女たちが一斉に俺の元へと駆け寄ってきた。

「今の声は……!? とんでもない邪悪なプレッシャーだったわ!」

アリエルが剣の柄を握りしめ、身構える。

だが、俺は恐怖を感じていなかった。

背後に控える55人の愛、そして足元に跪くカトレイアの熱。

それらが、俺の魂を鋼よりも硬く、太陽よりも熱く燃え上がらせていた。

「……面白い。四天王以上の化け物か。……ちょうどいい、55人分の愛の力を試すには、絶好のサンドバッグだ」

俺はカトレイアを抱き上げ、王座のようなソファへと深く腰掛けた。

「みんな、聞け! 次の目的地は、獣人国の聖域だ。……そこにいる化け物をブチ殺し、囚われた獣人の娘たち全員、俺の『嫁』にするぞ!!」

「「「「「「応!!」」」」」」

55人の美女たちの叫びが、夜の荒野を震わせる。

社畜だった俺が、今や一国の軍勢を率いる主。

失うものなど何もない。あるのは、100人の美女と共に歩む、終わりのない栄光だけだ。

商都メティス編、ここに完全完結。

物語は、血と鉄と、そして野生の愛が交錯する第3章「獣人国ガルダルク編」へ。

ユートスの快進撃は、もはや神ですら止めることはできない。

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