第34話:砂漠のオアシス! 隠れ住む猫族の美女
回廊を抜けた俺たちの前に広がっていたのは、獣人国の南端に位置する『静寂の砂漠』だった。
かつては豊かな緑があった場所だが、魔王軍の環境汚染魔法により、土地が枯れ果てている。
「……暑いわね。ユートス、アイス作って!」
リリアがだらしなくソファで伸びている。
「わがまま言わないの! ユートス様は今、周囲の索敵で忙しいんだから」
アリエルが嗜めるが、彼女も少し暑そうだ。
「……みんな、前方一キロ地点に、小規模な集落がある。……だが、様子がおかしい。強力な結界に守られているな」
俺はトレーラーを止め、ガルラと共に偵察に出た。
砂丘の影に隠れるように存在していたのは、地下水を汲み上げて細々と暮らす、猫獣人の部族の隠れ里だった。
「……止まれ、人間。これ以上近づけば、射殺するにゃ」
影の中から、鋭い声が響く。
現れたのは、漆黒のタイトなレザースーツに身を包んだ、小柄な少女。
ピンと立った猫耳と、二本のしなやかな尻尾。
彼女こそが、獣人国一の暗殺者と謳われる、猫族の『ミャオ』だった。
「……ミャオ!? お前、生きていたのか!」
ガルラが驚きの声を上げる。
「ガルラ……様? ……その隣の人間は、誰にゃ。……魔王軍の回し者なら、今すぐ首を跳ねるにゃ」
ミャオの瞳には、深い警戒心と、そして隠しきれない「飢え」と「疲労」が宿っていた。
「……腹、減ってるんだろ。暗殺の前に、まずは飯にしないか?」
俺は、トレーラーから持ってきたばかりの、焼き立ての魚料理を取り出した。
「っ……そ、そんな餌で、このミャオが釣られると思ったら大間違いにゃ……」
グゥゥゥゥ……。
ミャオの腹が、盛大に鳴った。
「……一回だけ、毒見してやるにゃ。……あむっ。……にゃ、にゃんだこれ!? ほっぺたが落ちるにゃあぁぁぁ!!」
魚を一口食べた瞬間、ミャオの瞳から警戒心が消え去り、蕩けるような恍惚の表情に変わった。
「こんなに美味しいもの、生まれて初めてにゃ! ……人間、貴方、いい奴にゃ! 私の『主人』にしてあげてもいいにゃん!」
『猫族の暗殺者ミャオ、および里の娘たち15名との「胃袋契約」が成立しました』
『スキル【隠密共有】を獲得』
「……ちょろすぎるぞ、ミャオ」
ガルラが呆れているが、俺は満足だった。
これでまた、守るべき、そして力になってくれる嫁たちが15人増えた。
「ミャオ。……お前の里を襲っている魔族、俺が全部片付けてやるよ。……その代わり、俺と一緒に来い」
「……もちろんにゃ! 美味しい魚をくれるなら、魔王だって暗殺してやるにゃん!」
猫族の美女たちを加え、俺のハーレム軍団はさらにその多様性を増していく。
獣人国の中心地へと、俺たちは再び進軍を開始した。




