表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/100

第32話:魔力サーバー限界突破! 100人への設計図

狂乱の夜が明け、俺はこれまでにない万能感と共に目を覚ました。

隣にはフィオナとカトレイアが、そして足元にはガルラが、幸せそうな寝顔で寄り添っている。

「……ふぅ。これが【楽園の加護】の威力か」

全く疲れがない。どころか、体の中に太陽が宿っているかのような熱いエネルギーが渦巻いている。

俺はそっとベッドを抜け出し、地下の魔力サーバーへと向かった。

そこには、徹夜で装置を監視していたエレインが、眼鏡を少しずらしながら記録を取っていた。

「……おはようございます、ユートス様。昨夜の魔力供給量は、想定値の400%を記録しました。……今の貴方の魔力量は、小規模な国家の年間魔力消費量に匹敵します」

「そんなにか。フィオナの装置、壊れてないだろうな?」

「ええ。ですが、この先さらに契約者が増え、100人に達した場合、現在の『定置型』のサーバーでは供給が追いつかなくなります。……ですので、フィオナさんと相談して、新しい『モバイル・サーバー』の構想を練りました」

エレインが提示した図面には、巨大なトレーラーそのものを魔力中継器とする、壮大な設計図が描かれていた。

これこそが、第29話で登場した『ハーレム・ゴー』号の真の姿だ。

ただの豪華な馬車ではない。100人の嫁たちを乗せ、彼女たちの魔力を常にユートスへと集約し続ける「移動式パワースポット」なのだ。

「……よし。フィオナを起こして、すぐに取り掛かってもらおう。カトレイアには、世界中から最高級の魔導素材を買い占めてもらう」

「承知いたしました。……ところで、ユートス様」

エレインが不意に顔を上げ、俺の服の裾を掴んだ。

「……昨夜、私は事務作業で忙しかったのですが。……今夜は、私の分の『契約』も、しっかり更新していただけますか?」

普段はクールなエレインが見せる、潤んだ瞳。

「……ああ。もちろんだ、エレイン」

俺が彼女の腰を抱き寄せると、地下室に微かな魔力の共鳴が響いた。

数日後。

メティスの広場には、黄金色に輝く超巨大型魔導トレーラーがその姿を現していた。

「完成よ! 私の最高傑作、『ハーレム・ゴー』! これなら、どんな魔境だろうと、アンタは王様のように過ごせるわ!」

フィオナが、寝不足のクマを隠しもせず、高らかに宣言した。

車内には、40人以上の女性が同時に生活できる居住区、最新鋭の魔導工房、さらには俺専用の「王座の間」まで完備されている。

「ユートス様、旅の資金と物資の調達も完了いたしました。……商都メティスの全商会が、貴方様の後援者スポンサーですわ」

カトレイアが、メイド隊を引き連れてタラップに立つ。

40人の美女たちが、それぞれの役割を持ってトレーラーに乗り込んでいく。

料理を作る者、警備に当たる者、俺の魔力を管理する者。

それはもはや、旅の一行というよりも、移動する「国家」そのものだった。

「ユートス様、準備は整いました。……獣人国ガルダルクへ、進路を向けましょう」

ガルラが、故郷の方向を見つめ、決意の表情を見せる。

俺はトレーラーの最上階、展望デッキからメティスの街を見下ろした。

無能と追放されたあの日の俺は、もうどこにもいない。

俺の背後には、愛する40人の女性たちと、彼女たちが生み出す無限の魔力がある。

「出発だ! 魔王軍に、本当の恐怖を教えてやる」

咆哮を上げる魔導エンジン。

黄金のトレーラーが、未知の冒険へと向かって、力強く大地を蹴り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ