第26話:商都の英雄! 100人への第一歩
メロウの討伐から数日。
商都メティスは、かつてないほどのお祭り騒ぎに沸いていた。
街を壊滅の危機から救い、伝説のリヴァイアサンを討ち、さらに四天王までも退けた「召喚勇者ユートス」の名は、一晩にして大陸全土へと広まった。
「……すごいわね、この行列」
フィオナの工房の前で、リリアが呆れたように呟く。
そこには、ユートスに一目会いたい、あるいは「契約」してほしいと願う女性たちが、街を一周するほどの長い列を作っていた。
「ユートス様のお力は、もはや一つの国家に匹敵します。……各国の商人や貴族たちが、娘を差し出したいと必死なのですよ」
エレインが大量の書類を捌きながら、少しだけ不機嫌そうに眼鏡を直す。
俺は工房の奥で、フィオナと共に新装備の最終調整を行っていた。
「……よし、これで完成よ。アンタの『無限召喚』をサポートするための、特製魔導リング『万華鏡』」
彼女が俺の指にはめてくれたのは、100個の微細な魔石が埋め込まれた銀の指輪だった。
「これがあれば、一度に多人数と契約しても魔力の逆流を防げるわ。……アンタ、本気で100人集めるつもりなんでしょ? 私も協力してあげるわよ。錬金術師のネットワークを使って、世界中の『逸材』を探してあげる」
「助かるよ、フィオナ。……あんたも、俺の大切な『嫁』の一人だ」
俺が彼女の頭を撫でると、フィオナは顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
「っ、な……っ! まだ、嫁なんて認めてないんだからね! ……でも、まあ……アンタの隣にいるのは、悪くないわ」
その時、工房の扉が勢いよく開いた。
「ユートス様! 大変です!」
飛び込んできたのは、メティスの商工会の代表を務める美女、カトレイアだった。
「どうした、カトレイアさん」
「……お隣の獣人国『ガルダルク』から、緊急の使者が参りました。……魔王軍の別の軍勢が、獣人たちの聖域を侵略し、族長の娘たちが囚われたとのことです!」
俺は立ち上がり、背後のヒロインたちを見た。
リリア、アリエル、エレイン、エレノア、そしてフィオナ。
五人の強力な仲間。だが、100人まではあと95人だ。
「……獣人国か。野生の力、興味があるな」
俺は紋章を光らせ、スイを呼び出した。
スイもまた、メロウを食らったことで新たな進化の予兆を見せている。
「みんな、次の目的地は決まった。……獣人たちを救い、俺のハーレムをさらに拡大させるぞ!」
「「「おー!!」」」
元気よく拳を突き上げるヒロインたち。
俺たちはメティスの人々の歓声に送られ、次なる冒険の地、獣人国ガルダルクへと旅立った。




