第17話:逆転の聖光! 四天王、撤退す
「な……何だ、その光は!? 人間ごときが、神の力を手に入れたというのか!」
ベリアルの顔が、初めて恐怖に歪む。
「『ゴッド・サモン』――スイ、聖獣形態!」
俺の声に応え、スイが光の中で姿を変える。
水色の体は白銀の毛皮に覆われた巨大な狼へと変貌し、背中には美しい翼が生えていた。
「きゅうぅぅぅぅぅっ!!」
聖獣へと進化したスイが、空を翔ける。
ベリアルの放つ闇の矢を全て食らい尽くし、一瞬で奴の懐に飛び込んだ。
「グアッ!? 離せ、この化け物め!」
「離さないわよ! これで、終わりよ!」
アリエルとリリアも、俺から流れてくる爆発的な魔力を受け、それぞれの奥義を放つ。
「『聖風神の裁き』!」
「『一刀両断・天昇斬』!」
風と光の嵐がベリアルを切り刻む。
「おのれ……おのれぇぇ! ここで退くわけには……!」
ベリアルが大鎌を振り回し、最後足掻きを見せるが、俺は静かに聖剣を構えた。
「――消えろ。王都の平和を乱す不法侵入者」
『限界突破:ゴールデン・エクスカリバー』!!
俺の放った一撃は、王都の夜空を昼間のように照らし出し、ベリアルの肉体を、そして背後に広がる魔族の門を根こそぎ消し飛ばした。
「アギャァァァァァァァッ!!」
絶叫と共に、四天王ベリアルは光の中に消滅――いや、間一髪で影の中に逃げ延びたようだが、再起不能のダメージを与えたのは間違いなかった。
王都を覆っていた紫色の雲が晴れ、朝日が地平線から顔を出す。
「……終わったのね」
リリアがその場に座り込み、深く安堵の息を吐く。
俺の腕の中では、エレノアが夢から覚めたように瞬きをしていた。
「……ユートス様。私……生きて……?」
「ああ。君の力のおかげだ。……ありがとう、エレノア」
俺が優しく微笑むと、エレノアは顔を赤らめ、幸せそうに俺の胸に顔を寄せた。
「……はい。私の全ては、もう貴方のものですもの」
その光景を、リリア、アリエル、エレインの三人が複雑な表情で見つめていた。
「……ちょっとユートス、王女様だからって、いつまで抱き合ってるのよ!」
「そうよ! 活躍したのは私たちも同じなんだから、ご褒美……欲しいわね」
「私も、事務作業の残業代……肉体的に支払っていただきますよ?」
四人の美女に囲まれ、俺は嬉しい悲鳴を上げそうになる。
だが、王都の惨状を見れば、まだ喜んでばかりはいられない。
王都の再興、そして逃げ延びた四天王と、その背後にいる魔王。
「……ま、とりあえずは一休み、といきたいところだけどな」
俺は美女たちを引き連れ、朝日を浴びる王都へと歩き出した。
社畜だった俺が、今や王女に愛され、国を救う英雄だ。
異世界生活、最高に刺激的じゃないか。




