第14話:迷宮の支配者! 覚醒する合体魔法
『忘却の地下迷宮』の最深部。
そこは、周囲を紫色のクリスタルに囲まれた、巨大なドーム状の空間だった。
中央に鎮座していたのは、通常のオーガの三倍はある巨体、そして頭に二本の角を持つ『オーガ・ロード』。
「……こいつが、この迷宮の主か」
俺は冷や汗を拭いながら、リリアとアリエルを左右に従えて構えた。
オーガ・ロードの周囲には、強力な魔力の障壁が展開されている。
「ユートス、気を付けて。あいつ、ただの魔物じゃないわ。……魔王の魔力が、直接注ぎ込まれている!」
リリアが弓を引き絞りながら警告する。
「グォォォォォォン!!」
オーガ・ロードが咆哮を上げると、周囲のクリスタルから雷撃が放たれた。
「っ、くっ! 速いわ!」
アリエルが『神速の剣技』で雷撃を切り払うが、その衝撃で腕が痺れているのが分かる。
「普通に攻めても勝ち目はないな……。二人とも、俺に手を貸してくれ!」
「「えっ?」」
俺は二人の肩を強く抱き寄せた。
「俺の【無限召喚】の真価を見せてやる。……三人の魔力を一つに合わせるんだ!」
俺は右手の紋章を最大出力で解放した。
「【究極融合:トライ・エレメンタル・バースト】!!」
俺を中心に、リリアの「風」、アリエルの「聖なる闘気」、そして俺自身の「無属性魔力」が渦巻く。
三人の魂が、俺という回路を通じて一つに溶け合っていく。
「あ、あぁ……っ、ユートス様の力が、私の中に……!」
「な、何これ……体が、勝手に熱くなって……力が溢れてくる!」
二人の美女が、俺の腕の中で喘ぐように声を漏らす。
魔力の同調は、精神的な昂ぶりを伴う。
俺は彼女たちの体温を感じながら、その膨大なエネルギーを一点に凝縮し、スイへと流し込んだ。
「スイ、いけぇぇぇぇっ!!」
スイが巨大化し、さらにその表面に風と光の鎧を纏った『聖風竜スライム』へと進化を遂げる。
「きゅうぅぅぅぅぅっ!!」
聖風を纏ったスイが、オーガ・ロードの障壁を紙切れのように切り裂き、その胴体を真っ二つにした。
「ガ、ガハッ……!?」
迷宮の支配者が、断末魔を上げる暇もなく消滅していく。
『ボスモンスター:オーガ・ロードを討伐しました』
『ユートスのレベルが30に上昇しました』
『スキル【限界突破】を獲得しました』
戦いが終わり、魔力の同調が解けると、リリアとアリエルはその場にへたり込んだ。
二人の顔は真っ赤で、吐息は荒い。
「……ユートス、あなた、なんてえっちな魔法を使うのよ……」
アリエルが潤んだ瞳で俺を睨むが、その手はまだ俺の服をぎゅっと掴んでいる。
「……でも、嫌いじゃないわ。あんなに、誰かと繋がっている感覚……初めてだったから」
彼女はそう呟くと、恥ずかしそうに顔を逸らした。
「ユートス、私のことも……もっと、深く繋がってくれる?」
リリアも負けじと俺の腕に縋り付く。
俺は二人の美女を両脇に抱え、勝利の余韻に浸っていた。
王都での評判は、これで不動のものになるだろう。
だが、迷宮の出口に戻った俺たちを待っていたのは、エレインの青ざめた顔だった。
「ユートス様、大変です! ……王都に、魔王軍の『四天王』の一人が現れました!」
物語は、いよいよ中盤の激闘へと突入しようとしていた。




