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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 33

 ルートが言った事を、サイゾウに頼んでみると‥‥宝飾工房から風雷鳥(ふうらいちょう)の気配はしないとのことだった。

 でも、今のやり取りは私もハンゾウ長老も居ないと、サイゾウたちに頼みごとが出来ない事になってしまう。何か良い手は無いのかしら?


「サイゾウ、私も長老も居ない時はルートのお願いはどうなるの?」

『交渉次第』


 ああ、成程。なら、ちゃんとした判断が取れるようにしておけば良いのね。


「なら、私も長老も居ない時は、ルートに従って?ルートもファルも結果的には人にとって為になる働きをしているし、私を守ってくれている人だから」

『ルート殿は承知した。ファル殿は‥‥見る目が無いので却下させて頂く』


 何それ?見る目が無いって‥‥サイゾウ、厳しくない?


『ホミバード一族はあのログナールの件を忘れていない。アレを紹介したのはファル殿なのだから』

「ああ、あー‥‥アレね‥‥」


 ごめん、ファル。

 きっぱり却下された部分はあったけど、ルートの指示に従う約束をしてもらえたのは助かった。

 サイゾウの探知能力のお陰で、宝飾工房をスルーして防具工房の前に来た。チラリとサイゾウを見たけど無反応。もう一回聞こうか迷っていたら、サイゾウが変な事を言った。


『ここでは無く、もっと奥の道から感じます』

「道?」


 そのまま、防具工房の先にある武器工房まで来てみたら、もう少し先に感じると言われたので、なべ屋と言われる鍋工房まで歩こうとしたら、手前だと言う。

 確かに、サイゾウが風炎鳥(ふうえんちょう)を感じ取っているのは”道”からだった。


「ルート、サイゾウの言っている事わかる?」

「鍋工房の後ろにはゴミ処理施設がある。だがサイゾウはそこまで行かないと言っているんだろう」


 風炎鳥は高温の炎を操る精霊だという。その精霊の気配が、ゴミ処理場と鍋工房と武器工房の高温火力を必要とする施設に面した道から感じるというのだから、そうか!


「地下!」

「ああ、だが入るには人手が足りないが、もう直ぐジェスファーノが来る」


 そうだった。ルートの言う通り、先にゴミ処理場へ踏み込んだジェスファーノさんの部隊が、施設の管理者に聞きこんでいる筈。


『ゴミ処理場から複数の足音‥‥5人くらいが此方に来る』


 少ししてから遠くの方にジェスファーノさんの姿が見え始めた。流石、サイゾウ!


「ゴミ処理の施設で、管理者2名が関与していたので捕縛しましたが、風炎鳥の所在は居ませんでした」

「ヒマリのホミバードが、この辺りから気配を感じるそうだ」

「成程。そうなると、地下という訳ですか」


 ジェスファーノさんはこの辺りの地理や建物の構造を熟知しているのか、地下という答えを直ぐに引き出した。


「我々は鍋工房から入りますので、ルート殿は武器工房から入って頂けますか?おそらく、どちらにも地下へ続く階段があるはずです。聖騎士を2名ほど付けましょうか?」

「いや、恐らく繋がっている筈だ」


 ならば後ほどと、ジェスファーノさんたちは鍋工房に入っていった。

ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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