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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 32

 ロカバンの鑑定で驚いた事は、モンキーチキンと農園との相性の良さだった。

――――――――――――――――――――――――――――

使役されているロカバン

個体:「    」

種族:温厚な魔獣 オス

属性:大地の守り・怪力・作物の庇護

相乗効果:

温厚なため寝床と食事があれば、人や他の魔獣と共存できる。

ご飯は雑草などの草。冬場は枯草などを食べるが量が減る。

たまに果物や木の実や野菜をあげると喜んで馬車も引く。

糞は果実の肥料として最適。

悩み事:

幼体の頃に捕獲され、使役され始めて5年も経つので、

全てを諦めている。

――――――――――――――――――――――――――――


「使役しなくたって、君はちゃんと理解して働いてくれるのに」

『昼寝してたら捕まった自分が愚かだったって言ってるよ』

「北の農園にアプランさんっていう人が、モンキーチキンを保護したいって願い出ているから、君のことも聞いてみようか?君の特性が、農園と相性が良いから歓迎されると思うんだよね」


 そして、農園の荷運びや雑草取りなどの仕事をすることになるのを伝えたら、ロカバンは自由な風景が見れるのなら厭わないと言ってくれた。

 モンキーチキンと降りて来たルートとファルに、鑑定結果を見せつつそのことを話したら、アプランさんに熱望される大切に扱われるだろうと頷いてくれた。


「ファル、ロカバンとモンキーチキンの事を聖騎士の人に伝えておいてね」

「分かってる。そっちは大丈夫そうだから、私もアプラン農園主の所に行って説明してくるよ。それと、サスケ君かサイゾウ君を通訳に借りて良い?」


 そうだよね。私の鑑定結果はこの国の人には内緒だから、通訳としていた方が話も通じるし、実際に質問もありそうだもの。

 私はサスケにお願いしてみた。このフレンドリーなコミュニケーション能力は、交渉にプラスに働いてくれそうだし。

 サスケがファルの頭に乗ると、サイゾウが私の肩に乗って来た。


「君たちの隠密行動は凄いね。ずっと見守ってくれてたんだ、ありがとう」

『いえ、サスケが頭の上に、失礼しました』

「ヒマリ、そろそろ西の工業地区に行こうか」


 ルートに促され、私は粉引き場から出た。

 南下する形で工業地区を進むと、西門と東門を繋ぐ大通りに面した大きな宝飾工房を見つけた。


「確か、精霊は他の精霊を感じ取る事ができるという。ヒマリ、サイゾウに気配探知を頼んでくれ」

「直接頼めば良いのに、なんで私経由なのルート?」

『ハンゾウ長老以外はヒマリ様の命令で動く。長老が傍にいるなら出来るが、”忠臣(ちゅうしん)二君(にくん)に仕えず”ですので』


 だからルートはハンゾウ長老の居る時だけ直接ホミバードに頼んで、サイゾウやサスケには私経由でお願いしていたのかと納得した。

 ホミバード、何処となく時代劇がかっている所が、恰好良い感じだ。


ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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