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ホワイトミニバードのそうだん

すみません、途中でルートの名前間違えてしまい、訂正しました。

 串焼きの屋台のおばちゃんが言っていたホワイトミニバード、略称:ホミバードと呼ばれている鳥の精霊が住んでいる公園に向かっている私達。


「そんなに見たいのか?」

「ホミバードって精霊なんでしょ?精霊だよ?私達の世界には見える精霊なんて見たこと無いもの!」


 物凄くはしゃいでしまっているのは、多少目を瞑って欲しい‥‥見た事の無い精霊に、ホワイトミニバードというネーミングから来るイメージが、絶対に可愛い系だと期待してしまう。

 ルートさんは知っているものだからあんまり興味が湧かない様で、公園直行にはならずにパン屋さんでお昼を調達してからのお出かけとなった。


「ほら、此処がホミバードの居る公園だ」


 何処、何処とキョロキョロするけど、森林に囲まれた公園には鳥が飛んでいなかった。


「ホミバードが居ない‥‥」

「諦めるの早すぎだろ?!よく目を凝らして見るんだ」


 まるで間違い探しのように隈なく探したけれど、ホミバードは居ない。小さいって、見えないくらい小さいのだろうかと考えていたら、ルートさんが噴水の近くでパン屑を撒き始めた。


「撒いたところを良く見ていろ」


ピピピッ!ピピッ!ピピッ!


「鳴き声?!」


 きっと仲間に餌があると知らせているのか、鳴き声と羽ばたきだけが聞こえる。近くに多く集まっているだろう、ホミバードは全然見る事が出来なかった。

 半ば諦めで噴水をボーッと見ていたら、変な形の何かが視界に入った。


「何あれ‥‥白い、羽?」


 宙にクリンとした羽が3本見えるのだ。よく見ると、そのクリンとした3本羽はあちらこちらにいる様で、噴水の傍に撒いたパン屑に群がっている様に見える。


「なんだ、ホミバードを、見つけられたか」

「え?!これがホミバード?この羽三本の生き物が?」


 いった瞬間、ルートさんはお腹を抱えて馬鹿笑いしている。


「初めてにしちゃ、偉いよ。だが、それだけが地面から浮いて見えるのは可笑しいだろ?」

「それは‥‥たしかに」


 だとすると、本体はあるけど体の一部分しか見えていないという事になる。


「ここはさ、この町の子供が一回は来る場所なんだ。小さい時に、ホミバードの認識阻害を紐解くことをしてると、大人になっても簡単に認識阻害を受けなくなるからさ」

「通過儀礼てきな?」


 そうそうと頷くルートさんは、私の肩を後ろから押さえてホミバードと思われる3本の羽の前に立たせてくれた。そして、私に耳打ちする。

 本気?私、良い年した女よ?そんな、子供みたいな真似‥‥ここは異世界、誰も見てない!


「ホワイトミニバード、みーつけた!!」


 途端に色づいていく世界‥‥何もないと思われた公園に、景色が動いている場所がチラホラ。

 私の肩に乗っているホミバードが、気付くのが遅いと笑っている。


「な‥‥なにこれー!なんか、半透明なシマエナガ似の鳥がいっぱいいる!」


 そう、ホミバードの外見は、日本の『シマエナガ』という鳥に似た姿で、仕草もそっくりなのに半透明なのだ。唯一、目を凝らして見えるのが、頭についている3本の羽。その3本のクルリとはねた羽を見つけるのが最初の関門なのだと、ルートさんは説明してくれた。


「あの『みーつけた!』という掛け声は何だったのでしょうか?」

「ああ、あれは認識阻害をしているホミバードに、『わかっているよ!』って見破ったという意味を伝える言葉だな。それを聞いたホミバードは姿を見えやすくしてくれる。子供が最初に触れる魔法ってところだ。なんせ、成功すると『ホミバードから認識阻害の対応術』というスキルの基礎がもらえる」


 他にも『認識阻害』を貰える人もいるらしいけど、それは数年に1人くらいしか貰えないらしい。

 ホミバードが何故こんな特性を持っているのかと聞けば、昔から他の国ではホミバードの乱獲が進んで絶滅寸前らしく、彼らが身につけた認識阻害というスキルは、自分達を守る切実なスキルであり、女神の賜物と言われ出して乱獲は減ったらしい。


「もし、姿をしっかり見たいならスキルを使えばいい。お前の完全鑑定眼の前には隠ぺいは無意味だからな」

「それで視たらどう見えるんです?」

「さぁな、今よりかは見えるんじゃないか?」


 曖昧だなと思いつつも、ホミバードを視ていく。


――――――――――――――――――――――――――――

ホワイトミニバード

個体:「      」

種族:七色光鳥の亜種

属性:認識阻害・隠密

相乗効果:

仲間になると属性を付与できる個体もいる

――――――――――――――――――――――――――――


 コマンド表示の隣に、可愛い鳥の写真‥‥動くホログラムのような物でできているのか、角度が変わっていく。

 そこで気が付いたのは、メスは頭の3本のクルクルとした羽が白く、オスはメスと同じく頭の3本の羽と尾っぽに七色の羽が2本出ている。


「確かに便利かも、鑑定眼って」

「知りたい以上の情報は、結構命運を分けるキーになるからな、大切に育てろよ?」

「スキルをですか?」


 そうだと言われても、実感がわかない。

 そんな話をしていると、私の袖を啄むホミバードがいた。


「何か、言ってるぞ」

「本当だ‥‥でも、鳥の言葉ってわかるの?」

「相手が心を開いて喋っているなら、『デンシン』ってスキルが働くはずだ」


 デンシンって以心伝心ってこと?

 私は話かけてきたホミバードをジッと見た。


『私は長老のホミバードだ。ちょっと話を聞いてもらえないか?』

「え‥‥?」

『やっと繋がった!この公園の隣にある林に私達は住んでいるのだが、一昨日、一体のトレントが大暴れして我々の巣をなぎ倒してしまった』

「うぇぇ?!じゃあ今はどうしているの?」

『公園側の方へ避難している』

「家が壊されちゃって可哀想」

『問題は,巣にあった卵が混ざってしまったのじゃ!!』


 巣にあった卵が、暴れたトレントのせいで混ざってしまっているという、ルートさんに聞いたら、ホミバードは家族単位で行動し、2~3家族の集団で生活して、毎年、その家族の組み換えがされていると教えてくれた。



ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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