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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 26

「農園の皆さんの手は、大切な食べ物を作ってくれる大切な手なんです。傷は大敵ですよね、自分を労わってください」


 土の中にはいろいろな土壌菌がいる。運悪く傷口に変な菌が入ってしまうと、化膿したり病気になってしまうこともある。

 ゴツゴツした手を握って、傷が治ったかを確かめてルートとファルに向き合った。


「モンキーチキンは使役者の命令に従っているだけだと思うの。前に小心者の魔獣だって教えてくれたでしょ?悪いのは使役者なんだから、犯人を懲らしめる何か良い方法があると良いんだけど」

「モンキーチキンを駆除しても終わらないと?!」


 感情的に反応したのは、アプランさんの隣に座っていたジユさんだった。

 悔しいのは分かるけど、目先の事に囚われてモンキーチキンだけを討伐しても意味が無いことに気付いていないのかな?

 ん?でもアプランさんは腕輪をしていたって話していたよね?ジユさんはアプランさんから聞いていなかった?もしくは、腕輪が何を意味するか知らなかった?

 チラリとルートの方を向くと、ファルに促している。


「操られている魔獣を退治したって、また別の魔獣がくるだけって言ってるんだよ。何、君は討伐したモンキーチキンの丸焼きでも食べたら気が済むわけ?」

「いや‥‥そういう訳じゃ」

「”腕輪をはめていた”ってアプランさんが言っていた事の事実は、使役者と魔獣が存在するってこと。この犯人が1度の失敗で止めるとは思えないからね。そして、腕輪が大量に盗まれている事件が発生しているから、用心として使役者に焦点を絞る必要があるんだよ」


 理路整然と説明されて、ジユさんはタジタジになっている。


「ジユ、怒るのも最もだが、こんなことが何回もあったら農園の継続が難しくなってしまう。さすが冒険者ギルドが送って下さった方々だ。どうか、我々の問題を解決して、小作人たちを安心させてやりたいのです」


 早速、農園の被害状況を見る為に、私達は皆で農園の被害現場に向かった。葡萄の房が全く無くなっている。隣のトウモロコシ畑は1列ほどトウモロコシがもぎ取られていた。

 そこには、モンキーチキンの足跡と思われる無数の後が付いている。足跡は1ヶ所を拠点に行ったり来たりとしているので、そこに収穫したものを入れる何かがあった事が分かる。

 モンキーチキンの足跡と集荷した場所、所々に黒くなっている場所の鑑定をしてみた。


「酷い‥‥」

「どうした?」


 心配したルートが覗き込んできたけど、私はその場に(うずくま)って小さな血痕を見つめた。


「‥‥」

「後で聞こう」


 頭をポンポンと撫でられ、元気づけられているのは分かるけど、泣いちゃうから今はしなくていいのに‥‥。

 そんな思いも浮かんだけど、彼ならどうにかしてくれるという気持ちもあって、力が抜けていることに気が付いた。


読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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