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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 13

 何この状況?


「嫌な予感しかしないのだけど」

『大方、当たり。流石、ヒマリ様!』


 さっさと情報寄越せ!と言わんばかりに、サスケをジーッと見つめたら、ルートが信じられない事を言った。


「ファレンシア王女が俺達に署名入りの依頼書を発行した事で、奴が教皇に会いに来て、此方へ協力を申し出ている」


ガターン!

慌てて立ち上がったせいで、椅子を盛大に倒してしまった。


「ない、ない、ない!無理!」

「今ここに居るわけじゃないから、少し落ち着こうヒマリ」

「協力って、だって、わた‥‥っ‥‥息が‥‥!」


 シャルの言う事は分かってる。ここには居ない。でも、あの恐怖が、声を出せずに助けを呼べない怖さが、あれを好意の表現と考えるアレの考え方も恐ろしかった。

 この状況で避けられないように教皇様まで利用して協力を申し出ているやり方が恐怖だった。


「ゆっくり、息をするんだ」

「最高けんりょく‥‥を‥‥利用‥‥する‥‥な‥‥んてっ‥‥」


 それ以上は、声にならなかった。息が出来ずに視界が黒くフェードアウトしてしまったから。



 私が倒れてから、丸一日、各々に大変だったと聞かされた。

 意識を手放した状態の私の唇が、どんどん紫色に変化していたためジェスファーノさんが近くの教会から聖水を貰って来てくれた。

 聖水には不安や心因性のストレスを緩和する力があるようで、飲んでからは身体の異常が消えて普通に眠っていたらしい。

 今度、聖水を調べさせてもらいたいと思った。日本には心因性ストレスを抱えた人が多くいるのだから、聖水がどんな成分か知りたい。

 そして絶望的な事が1つ。国家間の要請の為、教皇様の顔を潰すわけにもいかない。協力を受けるにも断るにも、教皇様立ち合いの元でログナージ殿下と会わなくてはならなくなった。


「大丈夫ですか、ヒマリ殿?」


 聖水ですと渡してきたジェスファーノさんが、心配そうに声をかけてくれた。


「捜査しないといけないのに、こんな事で時間を費やしてしまってごめんなさい」

「気にするな」

「そうだよ。しかし、しつこいな」

「ヒマリ殿、教皇様について話ましょうか」


 私が持っている聖水を見たまま、ジェスファーノさんは静かに話始めた。

 聖水は教皇様や聖女様が作っているのだと。特にこのスクエノは国境線で様々な者が訪れるので、一番神力の強い教皇様が作った聖水が行き渡っているのだとか。


「それを飲んで、貴女の症状は落ち着かれた。だから、教皇様の前でその症状の原因となる者とあっても、おかしくなることはないでしょう」


 それだけ、現教皇の力が凄いのだと教えてくれた。そして、教皇の前では魔力を持つ魔法使いや魔物は、その力を失うという事も。


読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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