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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 7

 ハッシュフル王国のファレンシア王女と宰相の捺印が押された書簡には、グランラードへの協力要請が書かれているらしい。


「俺達は顔が知られている。B級冒険者と一緒にパーティを組んで捜索活動をする前提が必要だ。これなら、俺達がS級ではなくB級で活動している根拠になる」

「ルート、前々から思ってたんだけど、使える物は王族でも使うその豪胆さって何処からくるわけ?」


 呆れた声のファルに対して、これでシオンヒークからグランラードを繋ぐ国境の門を通れるし、私をB級冒険者の召喚士として印象付けられるとルートは満足そうに説明してくれた。


 何よりも、この短期間で私が行くと言い出す前提で、全てに根回しと準備をしていてくれた事に驚いた。


 朝食を食べた後にハンゾウ長老が訪れて、私に新しいホミバードを付けてくれることになった。


『ヒマリ様、此度は戦闘系ということで、サスケとサイゾウが従いますぞ。どちらも固有のスキルでお守りできる強者じゃ』

「ハンゾウ長老ありがとう。サスケとサイゾウ、よろしくね!」

『よろしく、ヒマリ様』

『畏まりました、ヒマリ様』


 応答の仕方で気付いたのだけど、ホミバードも個々に性格が違うのか、とても人柄ならぬ鳥柄がでていると思った。

 出発するにあたって、ラレーヌがブローチをくれた。銀の蔦のようなモチーフに花がついていて、その花に水分が入っているようなプルンとした感じの質感があるものだった。


『その花の部分に私達が宿る事ができるから、いつも一緒にいれるわね』

「ありがとう、ラレーヌ!」


 喜んでいると、ファルがドリアードの使役するトレントが何種類か加護を発動させているのだと教えてくれた。

 魔法士は、物に宿る魔力でいろいろな事が分かるらしいということも、今だから納得できる。


 ラレーヌやハンゾウ長老によって、私の準備が整ったのを確認すると、トゥルエノがシオンヒークにある国境の街ナフヴォ―ロの近くまで送ってくれた。


 ハッシュフル王国とシオンヒークの間に結界石があるだけで、明確な国境の境界線が見えるような作りになっていないのに対し、シオンヒークとグランラードの間には川を挟んで、国境沿いに両国から10m以上の城壁が聳え立っていた。

 シオンヒークのナフヴォ―ロの街とグランラードのスクエノの街が大きな橋で繋がっているので、そこが交易路にもなり、人々が行き交う為の審査がされる検問所があるので、通行手形が無い者の列が長く続く日もあるのだとルートは歩きながら語ってくれた。


「転移石使えれば良いけど、今回は隠密じゃないからね。ちゃんと移動した形跡は残しておかないと後々厄介になりそうだし、ここは我慢だね」


 ファルの言葉は最もだった。

読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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