雷鳥の要求 ３
『ワイバーンだと？！奴らは雷花を嫌う筈‥‥』
ルートに聞いたのに、驚いた声を上げたのは雷鳥様だった。詰め寄って来た顔が真剣？っぽく見える。疑問形なのは、鳥顔で同じに見えているから。
「ヒマリ、その近くに足跡は無いか？」
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雷花
個体：踏み荒らされた雷花
種族：雷光の花
属性：雷の放出・蓄電
相乗効果：
待機中の雷を集める。霧と合わさると雷の放出が始まる。
悩み事：
モンキーチキンに踏み荒らされたため弱っている。
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「モンキーチキンって何？」
ワイバーンに踏み荒らされた近くに、正体不明のモンキーチキンが踏み荒らした雷花があった。それにしても、モンキーチキンって猿みたいな鳥？それとも、鳥のような猿？謎過ぎる。
「モンキーチキンって、小さな魔獣のサルでさ、小心者なんだ」
「チキンってそっちのチキンね！」
「いや、鳥のトサカが付いている、小心者の小さな魔獣ザルだ」
どっちも？！
想像しただけで、笑えそうな猿だけど‥‥これは、大変な事なんじゃないだろうか？
「ワイバーンとモンキーチキンの足跡か、厄介な事が起こってそうだ」
「ルートもそう思う？」
「へぇ、ヒマリも気付いたんだ？」
ファルが茶化すように言ってきたけど、ゲームや冒険漫画でお馴染みのワイバーンなら空を飛んできた魔獣に乗っかってきたモンキーチキンと考えるのが妥当だし、そうなるとやっぱり背後に陰謀的な？
「ヒマリ、他にも痕跡が無いか？」
「そう言われても、多分だけど‥‥１つずつ見ていくしか無さそう」
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焦げ跡
個体：モンキーチキンの体毛が焦げた跡
種族：モンキーチキン
属性：雷への耐性・騎乗
相乗効果：
他の魔獣への騎乗ができる
悩み事：
使役されて自由が無い。
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「あ‥‥これ黒だわ‥‥」
私は雷鳥様とルートとファルに、モンキーチキンが使役された魔獣だった鑑定結果を説明した。そこからはルートとファルが近隣の情勢を踏まえて、雷鳥様と話をすることになった。
話に付いていけない私は雷花が放電するまで、痕跡の調査を続行することにした。そしたら、ルートが雷避けのマントと靴を渡してきて‥‥ファルは雷耐性になる飲み物をくれた。
「霧が出てきたら間に合わないからね、これ飲んで雷光のパチパチ感を体感してみるのも面白いよ」
「雷耐性って打たれても死なないって感じ？」
「ルートからマントも靴も借りてるんじゃ、そんな大げさな事にはならないよ。薬飲んでる上で危なくなる心配は皆無だからね。その量の効き目は１日くらいかな」
ああ、その薬‥‥現代の子供たちに持って帰ってあげたい。毎年どれくらいの人が落雷に遭遇していることか。
「雷花が咲いてからの鑑定もしたいから、助かったわ！話し終わったら、迎えに来てね」
私はルート達から離れて雷花の花園を少しずつ鑑定していった。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。
