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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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王女の結婚式 1

 次の日になって、ファルやザラファノさんはルートに変な視線を送らなくなっていた。何か一件落着したような雰囲気があったので、私もホッとして朝食をいただく事ができた。


「ファル、王女様の結婚式は今日の何時くらいから始まるの?」

「昼過ぎだと思うよ。この大きな画面に映るようにしたから」

「なら、午前中は庭で薬草摘んでても大丈夫ね」


 そう言って席を立とうとしたら、ルートに止められてしまった。


「悪いが今日は外に出たらバカ王子に見つかるぞ。ヤツはまだヒマリを諦めて無い」

「うわ、今日のめでたい日に言っちゃうなんて、ルート何考えているのさ!」


 ファルの抗議にまたかと溜息を吐いて、私に隣に座るようにソファーを指でトントンと叩いている。


「ログナージ殿下が?でも今日は妹王女の結婚式でしょ?」

「まぁ、ログナージというかエスタリークは、欲しいものはどうしても欲しくなるっていうか、人間ってそういうところがあるからね。ルートはヒマリを守りたいんだよ」

「ヒマリさん、用心に越したことは無いです。我々騎士団もこの屋敷やクオシールの安全を守っていますが、付け入る隙を自ら与える事の無いよう、お願いします」


 平和慣れした日本人特有の感覚で考えてはいけないのだと、改めて気を引き締める気持ちになった。どうにも、結婚式という平和な行いと侵略戦争という闇の部分が同時進行する異世界。


「ヒマリは自分を守る事を忘れないでいろ、幸いこの婚儀によって精霊契約が成されれば、侵略戦争自体が無くなる。」

「そこが不思議なのだけど、平和になるのなら大歓迎ね」


 私は屋敷内の図書室から薬草や薬学の本を借りて、ルートの横で読むことにした。時折、ファルが本の挿絵に書かれている薬草の講釈をしてくれたり、薬学について知らない言葉を教えてくれたりした。

 昼ものんびり食べながら、過ごしていた。



「皆様、そろそろ結婚の儀が始まる頃です」


 セバスさんの一声で大画面がついて、ハッシュフル王国の王城が見え始める。徐々に大聖堂へと降り立つような画面が映って、大聖堂に並ぶ近隣の王族や来賓の参列が見えた。

 まるで現代のテレビ中継の様に切り替わる映像。少し上の画角から、教皇のような恰好をした方がいる祭壇と新郎が立っている場面が映り、奥の入口から純白の花嫁衣裳に身を包んだファレンシア王女が姿を現した。


読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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