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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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ログナージの奇計 2

「ファレンシア王女が幸せになってくれると良いわね。でも、何で結婚で精霊の祝福を受けることが戦争回避になるの?」

「それはさ、上位精霊にお願いが出来るんだよ。そして、ファレンシア王女は精霊と親和性が高いから、お願いも大きな物をお願い出来そうだし、何よりもハッシュフル王国の地形が良い感じなんだよね」


 嬉しそうに話すファルの横で、一大行事なのだとルートが教えてくれる。


『トレントの森と言われた場所は、ハッシュフル王国の北の大地に位置します。その奥はゾフランに続く道があるのですが、我々が退いた今は、ただの広大な湖と土地が広がる大地になっています。』

「もしかして、ラレーヌのトレントたちが今までゾフランの侵攻を防いでいたの?!」

『ある程度の防ぎです。精霊が住んでいる森という抑止力効果だけに過ぎません』


 淡々と告げるコタロウは、かなり冷静に物事を見ている感じがした。


「ヒマリ、精霊が住んでいた森は空いている。そして、上位精霊に願う為には、招致が必須だ」

「そうなのね、トレントが住んでいた森に他の精霊に来てもらうのが防戦になると。姫君たちも良い感じに納まって、戦争が起こらない様に出来るなんて、これ考えた人凄いわね」


 そこまで聞いてふと思ってしまった。ラレーヌとハンゾウ長老は、そのために何か手伝ったりしているのでは?と。何となく、責任感の強い2人は土地を離れるにしても、後任が招致されるまで守っていそうな気がする。


「コタロウ、私に出来る事はない?きっと、精霊が招致されるまで二人で守っているのでしょう?」

『流石です。でも、大丈夫です。ヒマリ様が安全な場所に移動される事が長老とドリアード様の安全に繋がりますから』

「ルート、さっき戻ろうとした時に止めたのは、そういうこと?」


 小さく頷くルートは、ゆっくり進んでいた馬を止めた。


「あれがシオンヒークの商業都市クオシールだ。城壁の門を通ったら、俺から離れるなよ。ホミバード、常にヒマリの傍にいてくれ」

「そうだね、迷子になられたらきっと宿屋に帰って来れないだろうからホミバード君、よろしく!」


 あんまりな言い様に、コタロウが目をパチクリさせていたけど、直ぐにキリリと視線を走らせて”御意に”なんて答えている。

 この世界での私の扱いは、お子様級かもしれない。


 馬に乗って旅する事も初めてなら、騎士国家と言われているシオンヒークの城塞商業都市を見るのも初めて。

 見る物全てが、ハッシュフル王国とは違い、石畳の続く往来と重厚な鎧などを扱う店、剣などの武器屋に防具屋がメイン通りに立ち並んでいる。街並み自体が重工な壁の様になっている。

 馬に乗ったまま入場出来たのは、ルートとファルの顔が知れ渡っているからで、私だけ身分証を見せて確認してもらった。


「あれって、コラッテの冒険者ギルドで貰ったやつ?」

「うん。ステータスを見せると何かと不便だから、渡来した異世界人用の身分証だって」

「ヒマリのステータスは今、見せられないくらいヤバい筈だ」


 ヤバいって真顔で言われると困ってしまう。宿の部屋を3つ取ってくれたけど、その後の来訪者で私の1人部屋は却下されることになった。



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