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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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ゾフラン軍事国家の侵略

「ハンゾウ長老、いる?」

『ヒマリ殿、私はコタロウ、ノウヒメと番の者です』

「あれ?コタロウって長老の娘さんの旦那さん‥‥今まで用事があっていなかったような?」

「ヒマリ、長老が居なくなる事態が起きてると考えた方が良い。ドリアードも姿を現していないだろ?」


 確かに。あの2人がずっと傍に居ることは無いけど、それでも数日に1度は顔を合わせていたから、どうして今まで気づかなかったのだろう?


『長老の気配を真似て、私がお傍に居りました』

「ああ、それで分からなかったのね。新手の認識阻害って感じで凄いね!」

『‥‥怒らないのですか?』

「何で?」


 私が聞き返したので、コタロウが言葉に詰まっている。優しいホミバードなんだと思った。


「怒って無いけど、ルートが言うようなハンゾウ長老が何かしなくちゃいけない程の事態なの?」

『はい。戦が起こりそうなのです』


 コタロウの説明でゾフラン軍事国家が交易の拠点になっているハッシュフル王国に戦争をしかけようとしている事を知った。

 今までコタロウはゾフランに移り住んでいるホミバードや他の鳥類から情報を集めていたらしい。ドリアードのラレーヌとハンゾウ長老の2人が居ないのは、コタロウの報告を受けて裏取りをしているためだという。


「凄い‥‥本物の忍者みたい!って、ルート、ログナージ殿下は知っているの?」

「おそらく、動きが怪しいていどだろうが、さっきの商業荷馬車が同じような情報を持っているとしたら、ゾフランが軍事戦略を立てて進行してきているだろうから、対応はしているだろう」


 戦争という全てを奪う卑劣な行為が、既に始まっているかも知れないのなら、ハッシュフル王国はどうなってしまうのだろう?


「おーい!こっちこっち!」


 これからの事を考えて暗い気持ちになっていたけど、ファルの元気な呼び声で我に返る事ができた。


「単なる暴走じゃなくて、ゾフランが攻めてくる情報を知って家財全て集めて、一家でシオンピークに逃げるところだったみたいだよ」

「商人が知っているって事は確定だろうな。戦争では、商人には伝手を使って早めに非難させて戦後の国益を図ろうとするからな」

「そうそう。貴族が知るのは一番最後だから。荷物まとめている間に戦略されて馬車に積み込んだ家財と家族そのまま略奪なんて良くある話」


 小さな小競り合いのような戦争は、ゾフランの北では良く起きているという。隙あらば手に入れるという考えらしいので、ハッシュフル王国もギルドを置いたりして防衛を図っていたらしい。

 今回の件で、ギルドが一時機能しなかったのが、隙とみられたようだとルートは説明してくれた。


「私、このまま逃げて良いのかな‥‥」

「馬鹿か?お前が戻っても戦えないし、逃げ惑うだけだ」

「長老やドリアードが情報を持ってくるだろうから、気になるなら情報だけ伝えてやれば良い」

「そうだよ。戦争における情報は、千金に値するからね」

『ヒマリ殿‥‥今、長老から連絡が入った。首都のコラッテは入る者を規制して封鎖を初めている。出て行く者には何の規制もしていないから、エサル王は何かするのかもしれないと』

「案外、無血開城とかだったり」


 無血開城と聞いて、大政奉還の江戸城の無血開城を思い出したけど、コタロウから話を聞いて嫌な感じがしてないらない。

 言い様の無い不安感が胸を締め付けている。どうしてとか、理由も何も無く変な感覚の焦りを感じた。そしてそれは、あの時のエサル王の顔が頭から離れないのもあったけれど、今奮闘しているログナージ殿下やトラウマを抱えた王女には過酷な試練だと分かっているから、やりきれない気持ちになった。


読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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