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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 154

「ルート、アルの近くに行って良い?」

「ああ、問題ない」


 ルートは私から視線を逸らさずにシシドランに対応しつつ、一歩も動かない。だけど、私が襲われそうになったら、直ぐに来てくれる事だけは分かる。

 でもね、傍から見たらルートのやっている剣技って、もう何というか奇妙な感じでありえない。

 そんな状況だからか、目が慣れて他の人を見た時に、苦戦している相手が分かる。アルは技術も戦闘センスも良さそうだけど、持久力が足りなさそうだ。

 だから、一番初めにアルの近くに行こうと思った理由でもある。


 私がアルの所に行くには、1匹のシシドランの横を通らなくてはならない。チラリとルートを見ると、優しい眼差しで小さく頷いてくれた。


「アル、そっちに行くからね‥‥」

「ヒマリさん?!え‥‥これは?」


 シシドランの攻撃に応戦していたアルが引き攣った顔をしている。

 それもそうだろう。私がシシドランの横を通過した時、私の半径5以内に入りそうになったシシドランが避けたのだ。

 しかも、ガシガシと前足の鉤爪でアルの剣を抑え込んでいたシシドランまでも、遠くに飛び退いて様子を窺う様にウロウロしているのだ。


「た、助かりました‥‥」

「ルート、ファル、今の見た?!」

「ああ。これが本来の使い方なんだろうな」

「マジで!これならセーフティゾーンとしての役割ができるじゃん!あ、でもヒマリって寝相悪かったっけ?」


 は?何でそんなこと聞くのよ?


「ファル、それは女性に対して少し酷いのでは‥‥」

「いやいやいや、アレン君大切なことだよ。寝ている内にヒマリがゴロゴロ転がってセーフティゾーンが移動したら、シシドランたちに食べられちゃうじゃん?」

「ファルぅ~!!」


 集まって来たファルをポカポカ叩いたけど、笑っていて反省していない。なんて最悪な冗談をかましてくるのよ!


「ヒマリ、お前が転がる事は無いぞ。俺が抱き留めているから安心しろ」

「へ?いや、その‥‥ルート?!」


 きっと一緒に寝ているから転がりはしないと言いたいのだろうけど、此処にはファルだけじゃなくてアレンやアルがいるのに!


「‥‥だから、そう言う事は‥‥」

「え?だって一緒に寝てるの教皇様公認じゃん!」

「だから、言い方!!私だって、成人した女性なの!これ以上、この話は無し!」

「ヒマリさん、成人されていたのですか?!」


 驚くところ、そこ?!

 何かもう、悲しい‥‥

 正直、このパーティメンバーに優しさは求めることが出来たとしても、乙女心を理解しろとかデリカシーを考えろと言っても無理かもしれない。



ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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