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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 153

 ルートの提案通りに、2人でファルたちの横を通り過ぎて、最前へと歩いて行く。不意に、ルートが私を見た。


「ヒマリは歩く安全地帯だな」

「え?うそ、本当に?」

「ああ、少し離れるが、俺の間合いは雷花の園で見せた通り、一足飛びで軽く20mは跳躍できる。だから、5mほど離れるぞ」

「うぇ、あ、うん」


 変な受け答えになったのは、雷鳥の卵があった雷花の場所で、ルートが遠く離れた私の所まで真っすぐに跳躍してワイバーンを倒したのを思い出していたからだ。

 怖いけど、5mくらいなら‥‥我慢できる。

 頷くと、ルートは一歩、一歩、私を見ながら後ろへ後退りするように離れていく。


「ルート、前!前見て!私は良いから!」


 そう叫んでも、ルートは私に安心感を持たせたいのか、ジッと此方を見たままシシドランに後ろ姿を見せたまま近づいていく。


「ルートの事は信用しているから、ちゃんと前向いて!こっちの方がドキドキして焦るよ!」

「もう1m離れるが、良いか?」

「何メーターでも良いよ、ルートは何処にいても助けてくれるでしょう?」


そう言った後にルートがスッと離れた瞬間、シシドランがルート目掛けて攻撃を仕掛けた。

ルートが腰に差している2本の剣を抜いて、数匹のシシドランたちの鉤爪の攻撃を軽く薙ぎ払っている。


「見てないのに、何で軽く対処できちゃうの」

「それはルートがS級の剣士で、剣技のスキルや経験が神業的な領域だから、視覚に頼らなくても対処できちゃうんだよ。凄いよねぇ」


 物凄く他人事の様な言い方をしたファルの解説では、ルートの本気の跳躍は20mどころではないらしい。

 どうやら、私が不安にならない程度の距離感で話してくれたようだ。


 でも、今の状況を分析すると、私から離れたルートは5mより外で攻撃を受けた事になる。これで分かったのは、私が安全地帯だという事を半分実証できたということ。


「もう半分ねぇ‥‥やりたくないなぁ‥‥」

「気が付いちゃった?」

「ファル、嬉しそうに言わないで、怒るよ?」


 こっちは、1人でシシドランの群れに歩いて行くか悩んでいるのに!


「ヒマリ、無理はダメだって言われたでしょ。今、1人で群れの中に行こうかと悩んでない?」

「だって、ファル!‥‥あ!そっか!」


 言われて気が付いてしまった。他の3人の所に行ってみれば良いのだ!

 要は、ファル・アレン・アルの所に近づいて、私の半径5m以内に彼らが入った時にシシドランがどう反応するのかを見れば、1人で群れに行く必要も無い。


ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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