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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 152


「準備が出来たようだな、ヒマリは俺と潜って入口の彼の名に名乗ってもらう。他の者はファルと5段まで下りて待っていてくれ。1人でも階段を下り切ったら、トラップが発動し始める」

「成程ね、さっき見に行っていたのは境界線の確認だったんだね」


 綺麗な所作で手を差し出してきたルート。

瓦礫に埋もれたカウンターの棚の一部が扉となっているのが、今なら分かるくらいに隙間が出来ている。

 その隙間に手をかけて、押し開くルート。手伝おうとしたら、大丈夫だと言われてしまった。


「気を使うな。今は自分の事だけを考えていてくれ、ヒマリの安全であることが良い結果を生む」

「全力で頑張るよ、トラップが作動しなくても、魔獣の巣窟にいるのは変わらないんでしょう?」


 入り口を開け終わったルートにそれとなく聞いてみたけど、彼は小さく頷くだけだった。

 手を取られて、暗い階段を下りていくと、明かりが階段の脇に灯っていく。階段を3段ほど下がると、光で照らされた壁に“グランドレ・ロンバン公爵”と書かれているブロックがあった。


「グランドレ・ロンバン公爵、ヒマリ・トウミネと申します」


 他に何か言おうとしたら、名前が輝いて私の首に何かが巻き付いた。


「へー首飾りなのかな、首に巻き付いているよ。それが免罪符なのかもね」

「ヒマリは俺の後だ」


 検証が必要だと言うので、皆で階段を下り切ると‥‥さっそくシシドランが集まって来た。


「ヒマリは俺の後ろへ。大丈夫だ、俺が守っている。アルとアレンは俺たちの5m先を歩いてもらえるか?」

「うん。ルートの服を掴んでいて良い?」

「構わない。ただ、俺に攻撃がくるかもしれないから、強く掴むことはしないでくれ、ヒマリに反動がいったりしたら怪我をするからな」


 自分がどうなるかは考えずに、私の身の安全だけを考えているような話っぷりに、服を掴もうか躊躇ってしまう。

 見かねたルートが私と手を繋いで歩き始めた。

 手?!

 手を取るんじゃなくて、手を繋ぐ?!

 ドキドキ感が半端ない。

いや、今トキメくのは変でしょ!


「ルート‥‥」

「ヒマリ、アルとアレンがシシドランと戦い始めた。こっちには視線を送っているが、俺に攻撃を仕掛けて来ようとはしていない」


 ファルにも襲い掛かるシシドランだったけど、相手をする前に倒れていくので、何かの魔法を使っているのかもしれない。


「一回、2人で前に出てみたいのだが、ヒマリは行けそうか?」

「ルートが居てくれるなら大丈夫だから」


 少し恥ずかしい言い方だったけど、これは正直な気持ちだ。絶対的な安心感があるというか、気持ちの持ちようが違う。



ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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