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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 147


 背中に背負っていた筈の長剣がいつの間にか抜かれていて、天高く掲げられている。

 目の前には、ガメオロンの咆哮の塊が打たれようとしているのに、先ほどの様な怖さは全く感じなかった。その光を綺麗だと思えてしまえるほどに。

 ルートの長剣が月の光を受けて、青白く光っている。振り下ろされる瞬間まで無音の世界にいる様な錯覚を起こした。

 そう思っていたら、いつの間にか剣は背中に仕舞われ、目の前に居た筈のガメオロンの身体が真っ二つになって倒れていた。


「ええっ?!一振り?一撃で??」

「怖い思いをさせて悪かった」


 重力に沿って落ちていきながら、そんな優しい一言をくれるルート。しかも、傍で落ちて来る私たちを狙おうとしているシシドランが目を光らせている。


「もう少しだけ、目を瞑ってしっかり掴まってくれ」

「うん、」


 今度は腰に身に着けている剣を抜いて、降り立った瞬間に空を切る音が数回鳴った。バタリ、バタリと倒れていくシシドラン。

 さっきから、ルートは一歩も動いていない。動いていないのに、シシドランがどんどん倒されていく。近場の瓦礫がカラカラと音を立てて崩れ落ち、人影が見えた。


「ぷはぁ!危機一髪、瓦礫の下敷きになる所だった‥‥流石だね、罠が多かったのにもろともしない」

「真っ向から罠にかかってどうする、あの地下のトラップ発動は分かったのか?」

「お陰様でね。ガメオロンもシシドランも催眠状態だった。発動は、地下迷宮に踏み込んだ者全員が対象だと思う」

「ファル!無事だったのね」


 ごめんねと謝って来るファルは悪くないのに。戦闘で役に立てない自分が歯痒く、謝られてしまっては申し訳ない。


「そうだ、ルートも居るのなら、迷宮の入口を鑑定してみる?」

「それは有り難いけど、どうする、ルート?」

「どちらにしても、教皇から聖水とラレーヌから手当てを受けるにしても、ポーションと万能薬といろいろ揃えて、地下を調べる必要性が出て来たな」

「分かった。じゃあ、調査続行ね。どの辺りだっけ、迷宮の入り口」


 ファルがガメオロンの尻尾の方へ歩いて手を振っている。ルートが私を抱きかかえて瓦礫の山を飛び越えてくれたけど、ちょっと心臓がドキドキして照れくささに顔が熱くなった。


「ヒマリ、ここが入口。サーチしてみると結構入口近辺の魔獣は討伐出来たっぽいよ」

「じゃあ、2人とも護衛よろしくね」


――――――――――――――――――――――――――――

ノルウェーノの地下迷宮

個体:ノルウェーノの地下通路

種族:地下通路が地下迷宮に改良された

属性:入口で特殊な鍵を使わないと迷宮の罠が作動。

鍵を使った場合は地下通路として、魔物や魔獣は出てこない。

相乗効果:

地下迷宮として捕獲した魔獣の飼育場になっている。

最奥に、結界に覆われた場所がある。

―――――――――――――――――――――――――――


「この地下通路、地下迷宮に意図的に改良されたみたい。とりあえず、この壁に映すね」

「なるほどね。何となくだけど、地下迷宮として入った時と地下通路として入った時では、たどり着く場所が違うのかな」

「いや、大変かどうかだろう。ただ、地下迷宮に改良したのならダンジョンを模していると思う」

「踏破すれば地下迷宮化が解けると?」


 確実に迷宮踏破が必須になるのね。


読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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