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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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202/230

キメラの雷鳥さがし 141

「ファル、ルートが中々帰って来ない訳が分かったの。トリコリオンの街に魔獣が転送されたって!」

「あはは、なるほどね。私たちは罠に嵌ったって訳か。アレン、ヒマリ、少し隠れて外に逃げ出せそうだったら逃げるんだ。アル、守れるな?」

「何あれ、何で白黒が転送されて来たの?!」


 そうだ、あの真ん中に居る男が“迷宮内で一番近くにいる奴を転移させる石”と言っていた。

私を襲ってきた白黒のシシドランは、潰された頭を回復して再びファルと戦っていたけど、ファルが上がって来れたということは、振り切って来たのだろう。


「あれが一番近くにいたんだ‥‥」


 白黒のシシドランは目を光らせて私たちを見ていたけど、スッとその目を細めた気がした。


「不味いな、アイツ気が付いたみたいだ」

「え?!」


 何がと聞く前に、空を切る音とアレンとアルが私を連れて横に飛んだ。

 ピシッ!

 物凄い風圧が何かを引き裂いたのは確かだけど、何が?と説明できない。横っ飛びの衝撃で、焦点が定まっていない目で見ようとしたからなのか。

私の前に立ったアレンとアルが剣を構え、回復薬を一気に飲み干したファルが私たちに姿消しの魔法をかけた。


「今の一撃、結界を狙ったものですね。アレン様、此処が戦場になる時はヒマリ様を連れて自領へ転移して下さい」

「ここが戦場って、まさか?!」

「そのまさかです。あの変異種のシシドランは知能があり狡猾(こうかつ)です。結界を切り裂いて無効化しようとした。その目論見(もくろみ)は達成されてしまっていますが」


カウンターの棚の扉に次元の裂け目が出来て、そこから顔を出したシシドランが数匹出てきてしまっている。

 瞬時に、アルがシシドランに攻撃をかけて、結界を修復する魔法をファルが放った。


「凄い、流石S級の魔法士ですね。結界修復と変異種に攻撃魔法で足止めして、結界を背にするように陣形を整えている」

「私たちは何をすれば?」

「私はヒマリを安全な場所に移動させることですが、アルが対応できないシシドランに対応するので、少しの間だけそこに隠れていてください」


 迷宮とは違い、風圧で飛んで行く椅子や机。

 アレンが言った場所で、ただ息を殺して隠れるだけの自分。

 魔獣の攻撃に身を震わすことしか出来ない自身が、とても情けなく感じた。切実に、誰も怪我をしない様に祈った。


「こんな所に隠れていたのか、お嬢さん」

「!!」


私の襟首を掴んで持ち上げたのは、あのバーテンダーだった。


「入って来た時から怪しかったが、そうか、ハッシュフル王国で噂になっていた異世界人はお前か!」

「ヒマリを離せ!」


 アレンが、気が付いて追って来てくれたけど、シシドランに行く手を阻まれてしまった。


読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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