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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 140

 私を抱き上げたアレンが一気に階段を駆け上がる。

地上へと近づくにつれて、不思議とガメオロンの地響きが小さく感じられる。まるで、地上と地下の間に干渉できないような何かがあるような違和感。


「っと、上がり切った、けど‥‥まだ退避していて助かった、か」

「アレン、大丈夫?!私を抱えて駆け上ったから‥‥」


 さっきまで、こんなに息を切らしていた?

 私が重かったからこんな状態になったのかと思っていたら、アレンが私の表情を読み取って首を横に振った。


「このBARに出るまでの10段くらいだけ、体力を消耗するような異常な仕掛けがされていて、足が段差を越えられない様になって凄かったのです」

「重力操作みたいな?」

「近いものかもしれません」


うわっ、そんな状態で私を抱えて駆け上がったの?

さすが、精霊騎士の称号を持つアレン!


「ヒマリ、ファルとアルの援護をしてきても‥‥」

「行ってきて!多分、この入口に結界があるなら、シシドランは入って来れないと思うから」

「判りました。極力、隠密スキルで気配を消していてください」


 キリリとしたアレンの顔つきは、このBARに来る前とは違う。意を決して地下へ戻る後ろ姿は、鬼気迫る空気感が漂っている。

 地下と隔たれたBARのカウンターから見渡す景色は、先ほどまで居た客の喧騒も無く、ファルの幻想魔法も消えているため、誰も居ない世界に迷い込んだように思えてしまう。

 とりあえず、隠密スキルで気配を消してみたものの、何時BARの店員が戻って来るかも分からない状況に、カウンター傍の物陰に隠れた。


「やっぱり、火事はデマかよぉ!」

「この街に精霊の事を調べ回っている男らがいると情報が入って来たからな。地下迷宮の罠も作動させておいたから、今頃は奴らの餌だ」

「お前の方はどうなんだ、トリコに魔獣を転送させたのか?」


北側の貴族用出入口のドアが開く音がして、何人か男たちが入って来た。一気に緊張感と不安感が高まり怯えていると、アルとアレンがファルを担いで地下迷宮から出て来た。


「お前ら、生きていたのか!」

「はは!その様子じゃ、地下で相当魔力を消費した様だな!なら、これはどうだ!」

「兄貴、その転生石って、お頭がヤバイ時に割れって言ってたやつ‥‥」

「ああ、迷宮内で一番近くにいる奴を転移させる石だ。魔獣は呼び出した者は襲わないからな」


 ないない!ありえない!

 ファルが腰のポーチから魔力回復薬を出して飲んでいるけど、息を整えるのがやっとで上手く飲めていない。



ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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