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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 120

「アレン、俺達に同行するなら、ヒマリと手を繋いで入ってくれないか?それと、ヒマリの安全のためにも敬称無しで呼び合ってもらいたい」

「私にヒマリ様‥‥ヒマリを守らせて下さるのですか?」


 ルートは少し考えてから、アレンとアルに話し始めた。


「5人で店に入れば、パーティを組んでいる様に見える筈だ。ヒマリが店の中で情報収集しやすい様に立ち振舞ってくれ」

それが結果的に守っている事になると言ってくれたので、仲の良い兄妹という設定でレストランに向かった。

 青い丸みを帯びた壁面のレストラン。2つの扉を開けて入店すると、案内の店員が近寄って来た。白いテーブルクロスのテーブルが壁に沿って配置され、中央に一段高くなった舞台がある。

 グランドピアノが置かれているので、奏者がいる時に演奏されるのかもしれない。席に移動するまでに、目に映る全ての人間を片っ端から鑑定していった。

 鑑定するのは僅か数秒で出来るけど、ジッと見つめる瞬間があるため、上位冒険者や剣士にはとても不自然に見える。その違和感を無くすため、さっきからアレンが私の手を引っ張り、率先していろんな物を見て歩く様な仕草をしてくれている。

 アルは私たちの保護者の立ち位置で後ろから付いて来ていた。


「こちらの席へどうぞ。ご注文が決まりましたら、あちらの係を呼んでご注文ください。それと、2階にはお嬢様方が寛げるオープンサロンもありますので、ご自由にお使いくださいませ」

「2階があるのね?!」


 楽しそうに聞くと、注文から料理が届くまでグラタンの様な物を頼むと、サロンを十分見てこれる時間が取れると教えてくれた。

実に親切な案内人だ。


「私、案内のお兄さんが言った物を食べる。食事前にちょっとだけ見て来るね。アレン、行こ!」

「私もヒマリと同じもので」

「2人だけで行かせられませんね、私も同じものでお願いします」


 今度は、私がアレンの手を引っ張って2階に続くお洒落な階段を上がっていく。その後をお世話係として来るアル。

 店内を見渡せる2階のフロアは、開放的な感じのサロンだ。若い女性や男性がお茶をしながら和気藹々とお喋りをしている。

 何となくだけど、堅苦しさは無く、アットホームな感じで日本のカフェのイメージに似ている。

 トリコリオンの飲み屋の酒臭いイメージとはかけ離れた感じに、客層も出されている料理も違う気がした。

 でも、それだけに今がオカシイ。


「アルさん、今何時なんだろう」

「真夜中ではありませんが、紳士淑女はもうお休みになられている時間ですね」


 そう。今は23時から0時までの時間だ。

 下の階の大人たちはともかく、20歳前後の若い子がレストランに集まってはしゃいでいる。この光景に対する違和感が半端ない。




読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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