キメラの雷鳥さがし 116
半信半疑でいたけど、転移陣は痕跡が残るということで、ラレーヌによる転移で相まみえたロンバン公爵と執事さん。
どう表現すればよいのだろうか、中世の貴族がそのまま目の前にいる感じで、黒を基調とした燕尾服の様な服に、銀糸の飾り刺繍と大きな宝石のついた紋章の飾りがついたタイ、そして黒の波打つ短髪に碧色の瞳が印象的な若い男性。
そして、隣に控えている蒼い鋭い瞳にグレーの長髪を後ろに束ねた長身の男性も、黒一色の燕尾服のような服を着ている。
こちらを分析するような視線を送って来る執事さんと、ハンゾウ長老の動きを見て私に視線を向けるロンバン公爵。
何故か微妙な空気感があるのは、仕方が無いにしても、ファルへの警戒を解かないで距離を保つのは何故なんだろうか?
「ヒマリ、悪いけど私は少し離れているよ。多分さ、魔法使いって呪文唱えれば攻撃可能だから、警戒されちゃうんだ」
「俺の間合いにも入ってこないところを見ると、ヒマリだけが警戒されていないようだな」
うーん、会いたいけど警戒はしていてって、どんな心境?
申し訳ないけど、円滑に話し合う為にも一回視させてもらおう。
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ヒマリに会いに来たアレン・ロンバン公爵
個体:アレン・ロンバン
種族:人族
属性:精霊剣士 兼 公爵現当主
相乗効果:代々風炎鳥と当主が契約を結び、精霊剣士として
教皇に仕えるため、その力を揮っている。
悩み事:風炎鳥との連絡が途絶え、契約が出来ず困っている。
風炎鳥の居場所も契約の仕方も分からないでいる。
秘密の話:父親のアルジンを死に追いやった事を悔やんでいる。
何故、風炎鳥との契約が父の代で出来なかったのか、教皇の代
代わりで起こった、治安維持の権利を奪った貴族を嫌っている。
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アレン・ロンバン公爵の忠臣の執事
個体:アルジェッノ・ギャロット
種族:人族
属性:アレンの専属護衛 兼 執事
相乗効果:代々当主に仕えるギャロット家の長子。
主が風炎鳥と契約を結べるよう、数十年調べている。
悩み事:アレンが精霊剣士になれない事を悩んでいるのを
見て心を痛めている。
風炎鳥の居場所を調査しているが、見つけられないでいる。
秘密の話:初代のロンバン公爵が氷土竜と風炎鳥の両方と
契約していた事を自分の父親に聞いて、詳細が書かれた
日記が残されている事を知ったが、アレンには内緒にしている。
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2人の情報を得て、敵ではない事は分かったけど、その内容に困惑した。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。