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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 111

 一斉検挙の如くラレーヌの蔦に捕まった者から得た情報で、この店に来ている者たちが精霊拉致に関与している事が分かった。

 この事態はラレーヌを通して教皇様に報告したけど、末端の者を捕まえてもトカゲの尻尾切と一緒になってしまう事を考えて、この飲み屋全体を空間封印することになった。


「空間封印って何?」

『歴代の教皇や聖女が使う時空封印術って言っても、それ自体が分からないわよね。要は、建物自体が認識阻害されて無かった事になってしまうのと同時に、内部は時が止まった状態で保存されるの』

「生きた人間まで?!時が止まるって‥‥」

「時間軸の流れから切り離されて、時の監獄とも言うな」


 ラレーヌは歴代教皇を知っているのか、分かりやすく教えてくれたけど、ルートが端的に譬えた言葉は、彼らのやってしまった行いを示唆していて、善も悪もやったことは全て自分に返る因果応報を連想させた。


「ルート、私はこの鍵を追跡してみるよ。教皇の空間封印術は、我々が出た後だとしても、もう術の発動の準備にかかっている筈だから、急いだ方がいいと思うんだ」

「確かに。ファル、罠に気を付けろよ?」

「分かってる。けど、やっぱり失敗を挽回したいって気持ちもあるんだ」


 ルートとファルが話し合って、怪しい場所から当たりを付けて探している。

 手分けして賭博が行われていた場所とその奥の部屋、2階のオーナー部屋を調べていった。どれぐらいの時間が経ったのか、焦り始めていると‥‥。


「あの、ルート、ヒマリ、‥‥証拠となる書類も此処に入っていたみたいだ」

「え?書類が?」


 鍵のかかった机の中から、本の形をした箱を探し当てて、その中に入っていた鍵を見つけ出したファル。その鍵が何処の鍵なのか、追跡魔法で本棚の後ろにあるドアの鍵だという事を判明させた。


 その隠された部屋に整理されて並んでいた資料を時系列で追っていった様で、部屋に設えられた頑丈な机の引き出しが2枚底になっていて、厳重に保管されていた帳簿。


 オーナー部屋の机にあった帳簿が表の物なら、隠し部屋から今見つかった帳簿は裏の物と言える。

 中を見ると、氷土竜、風炎鳥、雷鳥、影小人、幻影蝶と、知っている名前の精霊から知らない精霊の名前が帳簿に載っていた。


「ここに載っている精霊が攫われたのかな」


 理不尽に家族から引き離されて日常を奪われた精霊の子が、この帳簿に載っていると思うと、どうして、そんな非道な事をするのか悲しくなった。


「許せない。魔法という恩恵を受けているのに、恩を仇で返すなんて」


 どうしようもない怒りと、精霊たちの悲しみを感じて利己的になっている者への嫌悪感が増した。



ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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