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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 108

随分とあからさまな交渉になってきている。

さっきから、金銭取引で精霊を譲ような話の流れを作ろうとしているオーナー。ファルを雇うとまで言い出してきている。


「私は高いよ?このお嬢様だから支払いが可能なのだから。見くびっちゃいけない」

「いえいえ、私共のバックにも凄いお方がいらっしゃいますので。その方とお話頂ければ、召喚士様のお心もきっと変わるかと」

「なんで心変わりする前提で話されているのか。お嬢様に先に雇ってもらえた、これは君らが私と巡り会えなかった運の悪さでしょうね」


 思いっきりファルが挑発をした。

 オーナーの目がキラリと光って、3階に案内すると言い出した。


「嫌な予感しかしない‥‥」


 3階へと移動しながら、不機嫌さを露わにする。往々にして、この手のカジノの様な場がある所では、身ぐるみ剝がされてしまう危険がある。

だから、この後、オーナーの提案を受けたファルを許せなかった。


「このままでは話が進みません。ですので、私も運がどれくらいなのか、知りたくなってきました。だから、貴方の精霊をかけて私と勝負をしませんか?」


は?何を言っているの?

 イラつきと、私にもあったのか?!と思うほどの殺気がオーナーに向かった。私の殺気を感じ取っている筈なのに、ファルは黙って勝負の席に着いた。

 一瞬、意識が遠くなる様な感覚と、身体が沸騰したような心音が鳴り響く感覚に囚われた。


バチーン!


 気づいたらファルの顔を平手打ちしていた。


「よくも、私の友達を勝手に賭けの対象にしたわね!私が一番嫌う事を、どうしてやるわけ?」


 同じフロアに居るお客の面々が、呆気にとられて此方を見て、ヒソヒソと話していた。

 ファルに至っては、ぶたれた頬を擦って小さな溜息を吐いている。


「いやいや、お嬢さん、彼の精霊と友達なのは分かりますが、賭けは大人の世界です。口出しは無用でしょう」

「違うわ。精霊は私と契約をしているの。彼が勝手にできる事じゃない」

「ちょ、何んで暴露しちゃうかな、少しくらい目を瞑ってくれても‥‥はぁ、地雷踏んじゃったか」


私は冷ややかな目でファルを見た。何に目を瞑ると言うの?


「貴方は私と精霊の繋がりを、契約だけの結びつきだと勘違いしていない?」


 そういった考え方は、精霊を物として見ている。命と命、心と心のやりとりだと思っていない。そんな危険な考え方は、何時しか身を亡ぼすのに。

 それに、私の心情が許さない。精霊とはこの世界で嘘偽りのない心の交流でできた絆なのだから!


「はぁ?‥‥では、私は騙されたのでしょうかね。まぁいい。お嬢さんが契約者なら手っ取り早い。おいっ!こいつ等を捕らえろ!小娘は傷をつけるな!」


 オーナーの怒号が響き渡った。


ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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