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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 107

「お食事中すみません。この店のオーナーが珍しい茶葉があるので、この後如何でしょうかと申しています」


 あくまでも私にお伺いする素振りのウェイター。このパーティでは私が護衛対象なので、決定権は私にあるとルートが教えてくれたっけ。


「そうね、料理も美味しかったわ。2人を伴って良いなら受けます」

「はい。では、此方へどうぞ」


 (うやうや)しく頭を下げて2階へと続く階段を上がっていくウェイターの後に、ルート、私、ファルが続いて上がっていく。

 階段を上がった所がラウンジの様になっていて、長いソファーが置かれて、数人が座って談笑(だんしょう)して話している。

何気なく通り過ぎながら鑑定眼を発動して情報を集めていくと、上の階から降りて来た女性達とすれ違った。

ラウンジの最奥がオーナーの部屋なのか、手前の2つのドアを通り越して進んで行く。

 大体が手前の2つのドアは応接室か何かだろう。応接室ではなく、オーナー部屋に通される意味合いは、話の内容がそれだけ大切な要件だと推測される。


コンコン


「オーナーお連れしました」


 沈黙(ちんもく)は肯定なのか、ウェイターはそっとドアを開けて、私たちに入るように促した。

 室内は執務室なのか、書類が置かれた大きな机と応接セットがあり、ソファーに座るように勧められた。

 お嬢様設定の私が座らないのも怪しまれてしまうかも知れないけど、店に入る前に打ち合わせていた通り、私はソファーに座らず、ルートと一緒にソファーの後ろに立った。


「おや、面白い方ですね」

「貴方、私と話したい訳でも無いでしょう? 召喚士と話したいのなら、彼と話すと良いわ。私は適当に暇を潰しているから」


 ファルにソファーに座るように言って、見える位置から部屋の物を鑑定し始める。

 そう、今回のミッションで私の役割は、人物鑑定と主要人物と思われる人の持ち物鑑定をルートからお願いされていた。

 普通に部屋に有る本に手を伸ばしても、オーナーは何も言わない。

 だから、思いっきりつまらなさそうな雰囲気を出して、彼の机に近寄ってみた。


「!」

「ねぇ、何か面白い物ってある? つまらないから帰っても良いのだけど。それじゃ、オーナーがお困りでしょう」

「お嬢様には退屈な話でしょうから、そちらの剣士様と上の階でゲームでも如何ですかな?」

「‥‥帰りましょう。私から護衛を引き離すオーナーなんて信用ならないわ。貴方もいいわね?」


 立ち上がるファルに、慌てて止めに入るオーナー。


「すみません、私の言葉が足りなかった様です。もう少しだけお待ちいただければ、私が3階に案内しますので!」


 どうあっても、我儘お嬢の私に決定権があると認識させられたけど、この後はどうするのかな。ファルはオーナーの質問に対して“NO”の一点張り。

 まぁ、精霊を(ゆず)ってくれだなんて、許可できる筈もないんだけど。



読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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