表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

165/251

キメラの雷鳥さがし 104

「不躾にすみません。今食べていらっしゃるのは、どのような料理なのでしょう?」

「ああ、旅の方なのですね。これはルルフィッシュという魚の料理です。揚げた野菜と、フルーツとスパイシーな香料を一緒に煮込んだソースで頂くのですよ」

「そうなのですね!」

「お嬢さん、こっちのボールンラビットをベルリーで煮込んだ肉料理も逸品ですよ」

「まぁ!この地方の料理は初めて食べますの。お魚とお肉、どちらにしようかしら」


 チラリと見てルートに振ると、頷いてウェイターに両方の料理を注文している。そこに、手にエール2つを持ったファルが戻って来た。


「お嬢様のジュースはウェイターが持ってきますよ。食事は何を頼んだのですか?」


 ルートが隣の神官達の食事に視線を送って、“お嬢様が興味を持たれた”と話している。当然、その会話は周りに漏れていて、視線があちらこちらから私へと向けられた。

 この店に来るまでの間に、店内での会話をどうするか話し合っていたけど、ここまで反応が直接的だと思わなかったので、ちょっと意外だった。


「悪いが、今回は雷鳥と風炎鳥に協力を仰ぐしかないから、後で召喚してくれないか」

「まぁいいけどさ、こういった話は後でしようよ。人が多すぎる」

「ねぇ、貴方から貰った風炎鳥の羽、何に使えるの?このままドレスの飾りにしても良いけど」


 ヒラヒラと紅色と橙色のグラデーションが美しい羽を手で振ってみる。視線は一気に風炎鳥の羽に釘付けになった。

 そっとバックに仕舞い込んで、ファルに我儘を言う様に強請ってみる。


「ドリアードを見せてよ!私美しいもの大好きなの」

「それは無理だよ、こんな場所じゃ呼び出せない」

「つまんないの」


 不本意な会話をしていると、ジュースと料理が運ばれて来た。取り皿にルートが切り分けして肉を乗せてくれたけど、とても洗練されていて手際が良い。

 前から思っていたけど、本人が意識して優雅に振舞うと、今まで会って来た王族の所作よりも美しい気がする。

 こんな事考えるのはちょっと失礼かもしれないけど。


「まぁ!これ、お肉も美味しいけど、このルルフィッシュのソースが絶妙ね!」


 聞こえる様に絶賛すると、1人の神官が私たちに話しかけて来た。


「勧めた甲斐があった様で何よりです」

「ふふっ、魚の身もフワフワで海が遠いのに驚きですわ!」

「北の森に大きな深い湖水があるのですが、その湖水は遥か遠くの海と地底洞窟で繋がっているので、海の魚も湖で獲れるのです」


 なるほどと、感心して話に聞き入っていると、神官達のテーブルから話しかけてきた。話題は勿論、風炎鳥や雷鳥の話だ。






読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ