キメラの雷鳥さがし 99
「ヒマリがドン引いているね」
「だが、これが最善で最良な配置だ。ヒマリ、精霊は元来悪戯好きなヤツも多いから、気にするな」
ルートの声で我に返り、チャチャとラレーヌを見ると、可愛くウィンクしている。
『そのオモチャは直ぐに外しなさいよ!』
強気のチャチャの発言に、ニノンは慌ててシオニーから追跡テントウ虫を外していた。
微妙な空気感がガッテスと私たちの間に流れた。だって、これじゃニノンが“奥さんの尻に敷かれた旦那”のように見えて、気の毒だ。
しかも、それが人間と精霊とはいえ、小さなホミバードで行われて、なかなかにシュールだ。
「チャチャは、しっかり者だな」
「ルート?!」
ルートにはしっかり者に見えているの?このやり取りが‥‥確かに、確かにそう考えれば‥‥。
「ヒマリもしっかり者だろう、いろいろ完璧にしようとして抱え込まなければ、もっと楽になると思うが。俺やファルを頼ってもらいたいと言っても、出来ないだろうから俺が口を出すよ」
うわっ、物凄く優しい表情で言われて、ドキッとしてしまった!
嬉しいけど、とても恥ずかしい。でも、分かってくれる人が傍にいる温かみが心地よくて、小さく頷いた。
『なに、2人とも良い雰囲気ね。私はジノおじぃの傍に居るわね。で、彼女が出かけたら後を付けて会合場所の割りだしってことで!敵のねぐらを多く突きとめれば良いってことでしょ?』
「そうだな。だが、無理はしないでくれ、お前に何かあったらヒマリが悲しむ」
『そうね、ヒマリって優しすぎるから』
「チャチャとルートの会話だけ聞いているとさ、なんか恋人同士の会話っぽく聞こえるよね」
何の気なしにファルが言った言葉は、2人の逆鱗にふれてしまった。超絶連打の嘴攻撃でファルの頭の毛が抜かれている。
「イタタタッ!ルート、ヒマリ、これ止めさせて!」
「チャチャ、怒らないであげて!」
『私にはサスケが居るのに!!このっ!このっ!全部むしってやる!』
ああ、ノウヒメ、チャチャが強すぎる‥‥。
「ハハハハッ!久方ぶりに大声で笑ったのう。精霊に好かれて鑑定士で、こんな愉快な仲間を持った人物だったとは」
「ジノ爺さん、これは愉快と言うより、滑稽というか、しかし、シオニーの件は気付かなかった俺の責任だな。ニノン、1人で対応させて悪かった」
「いや、僕だって詰めが甘かったし。チャチャさんが協力してくれて、正直この期間で彼女から学べるモノを吸収できるように頑張るよ!」
こっちは仲間の絆が強くなったって感じね。
ホッとしてチャチャを見たら、あれ、どうなってんのかしら?
チャチャの片足が巨大化して、ファルの顔にクリティカルヒットしていた。
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