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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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真夜中の魔術師

ラレーヌの怒りは、ヒマリの提案によって‥‥

 あれから、敬称も無しと注文が来てしまい、私は高校以来の呼び捨てを実践している。そして、ルートとファル、ラレーヌそして私で今後を話し合った。

 ラレーヌの目的が悪い人間への鉄槌(てっつい)だと少し過激な展開になりそうだったので、血をみそうな展開にならない様に私から提案してみた。


「鉄槌も分かるけど、ラレーヌ、悪い人間を懲らしめるのに仲間が傷つくのは、私は嫌なの。トレントの森のトレント達を守る術はないの?」

『ヒマリらしい発言ね。あるにはあるわよ。』


 何人来ても、人間がどんな魔法を行使したとしても、精霊の領域という結界があれば人間の住む世界と精霊の世界を隔てることが出来るのだそう。

 しかも、精霊は自由に人間の世界に来れて、人間がその隔てを越えるには、精霊の長の誰かに認められないと行けないのだという。


「どうやって精霊の世界に行くの?」

『行くも何も、場所は同じよ。ただ、こっちの世界から見たら、普通の森ね』 

「なんともチートな結界な気がする。どうして、今まで使わなかったの?」


 そう言ったら、ラレーヌが残念な顔で私を見ている。んーこれは、気付かないとイケない事に気付けなかったのねーって言うような反応だ。


「ヒマリ、許可を貰うには人間がトレントに会えないと不味いでしょ?」

「許可を貰う前に精霊が姿を消したら、一生交流が途絶える形になるな」

「そ‥‥そうね。愚問でした。じゃあ、誰か認めてもらわないとね」

「それ、真面目に言ってる?」


 今度はルートやファルからも痛い目で見られた。


『ヒマリ、私と名付け契約したの忘れたの?!やだ、もう‥‥このこ本当に大丈夫?』

「な、なんとなく、今分かりました。異世界の常識って凄いわ‥‥」


 契約=認められた者という意識がイマイチ抜け落ちていた私。呆れられるわけよね。

 そんなこんなで、狙われているホミバード含めて、トレントの森に広域結界が張られた。


「ヒマリは危ないから、そっちで見ててね」

『こっちの結界の中よ。ヒマリが精霊に傷ついて欲しくないって案を出したと同じくらい、私達だって貴女に傷ついて欲しくないのよ?』

『ヒマリ殿は日本から来た異世界者、精霊の我々が思う契約者というものが分からないのでしょうな』

「ハンゾウ長老、精霊同士って結界を行き来できるの?!」

『確かに知らないみたいね』


 トレントの枝にホミバードが止まっている。全員集合していると思われるくらいの気配がしている。


『ほら、来たわよ』


 ラレーヌが指し示した先に、明らかに変な動きをしている男達がトレントの森の入口で戸惑っている。


「おい、森が‥‥変じゃないか?」

「トレントは何処に行った?!」

「あ、あれはS級?!」


 言った瞬間に瞬殺じゃなかった、眠らされた3人組。全員に猿轡と縄で縛りあげてしまったルートとファルの体術が凄いのかもしれない。


『直ぐに終わったわね。ヒマリは戻って良いわよ』

『我等が護衛しているので、安心して欲しい』


 サイゾウさんがそう言ってくれたので、一歩踏み出すと‥‥視界にあった膜のようなベールが無くなってルートたちの目の前に現れる事ができた。


「なんだ、もう戻って来たのか?」

「これからギルドだけど、一緒に来る?」

「そうね。この世界のルールとか知らないから、見分を広めに一緒に行くわ」


 ホミバードが着いて来ていると伝えると、二人から最強の護衛だと微笑まれてしまった。




此処まで読んで頂き、ありがとうございます。

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