キメラの雷鳥さがし 84
「私も就任してまもなかったので、戴冠式のあの時の会議が、貴族たちは若い公爵を相手にロンバン公爵家から、街などの治安実権を取り上げていたのだと後になって知ったのです」
教皇も聖女も力を顕現した者がなる。
そこに筆頭となる公爵家の代替わりまであれば、その隙を突いてくる者たちは多い。
「でも、教皇の後ろ盾には枢機卿がいるよね?」
”権力機関の掌握、実現できないと言えないところが悲しいですが” 脳裏に、教皇様が枢機卿の事を話し、貴族たちの実権掌握を考えた時の気になる言葉が浮かんだ。
「教皇様が教皇になられるタイミングで、そんな会議が開けるなんて変だと思う。ロンバン公爵の代替わりは普通の代替わりだったのかな?」
「はやり病だったっけ?対外的に出された発表はさ」
『国防を担うロンバン公爵の死は、毒殺とも暗殺とも噂されているが、真相を知っている精霊がおる』
「ハンゾウ長老?!」
現ロンバン公爵の祖父と父親を同時に亡くしたのだと、ハンゾウ長老が昔を思い出すように話し始めた。あの頃はと、遠くを見つめて話している。
「ハンゾウ長老、ちょ、ちょっと待って!」
「長老、端的に聞くが、ロンバン公爵家と精霊契約していた精霊とは?」
『なんじゃ、皆、会っておろう?』
少し見ない間に、長老‥‥話し方が二人を揶揄っているような?まどろっこしい感じで話ている?
「ハンゾウ長老、教えて貰えますか?」
『精霊契約をしていた風炎鳥の王じゃ』
「うっわ、何そのニアミスな縁って?!」
ファルから素っ頓狂な声が出たけど、私も驚いた。
「教皇、これはロンバン公爵と会う必要が出て来たな」
「そうだよね、これは国家の問題でもあるけど、明らかに公爵家の問題でもありそうだし?」
教皇様は考え込んで何か頷いている。
「私の先代にあたる教皇は病死でした。聖なる力が発現して間もない私を教皇としたのが貴族達と神官達で、それ以後、公爵とは年に数回祝賀やパーティーで会うぐらいでしょうか」
既にこの国は貴族達の好き勝手になっているのだろうか?
現にスクエノの街の地下にあれだけの地下高炉や設備が整っているあたり、数年でどうにかなるモノとは思えないし、かなりな組織立った動きがあるのでは?
「現ロンバン公爵は今は何をされているのですか?」
気になるのが今のロンバン公爵だ。いわば、貴族達に街の治安維持の実権を奪われて、どう考えているのだろうか?教皇様への忠誠心とか、その他いろいろが気になった。
『ヒマリ様、サイゾウとミヤ殿が戻ってきましたが、敵にやられたようでジェスファーノ殿が抱えて、此方に向かってきています』
コタロウが危険を察知したのか、大きな声で叫んだ。
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