キメラの雷鳥さがし 68
鑑定眼を行使しても、された方は何も感じない。覗かれた感も無い。
だから、この能力がチートな所以なのだろうけど、自分の良心としてはあまり無断で使いたくないという気持ちもある。
今までに何百人とスクエノの街で鑑定してしまったけどね。
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マフシロン大司教
個体:マフシロン
種族:母が人族、父がエルフ族
属性:グランラードの大司教
相乗効果:
常に教皇の安全を最優先に考え行動。
教皇と聖女に仕え、誠実に生きる生活をしている。
悩み事:
ヒマリを特別視する教皇に、思慕があるのではと思っている。
そのため、教皇の妻としての素性や素行の調査をしている。
【秘密の話】
聖職者の心を視るには、一定の信頼関係が必要。
もしくは、新たに神眼に目覚める必要がある。
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「どう?」
「見ちゃいけないモノまで見た気が‥‥マフシロン大司教は純粋に教皇様の事を心配して行動しただけだと思うけど、それを誰かに利用されたんじゃないかな?」
「彼が行動する事を知っている人間ね。それを利用できるヤツか。これも見れる?」
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沐浴の場に仕掛けられた収集石
個体:収集石
種族:生命維持エネルギーを吸い取る収集石
属性:元は普通の収集石を、生命維持エネルギーを奪い取る
事に特化させた仕様に書き換えたもの
相乗効果:
触れる事で発動。
但し、水などの液体を媒体に遠距離からでも発動できる。
収集したエネルギーは持ち主のXXXXXXに送られる。
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「ミヤ、これ持ち主が居るみたい。収集したエネルギーを持ち主に送ってるって。でも、持ち主の部分が読めないの。見てみて」
柱の壁にマフシロン大司教と沐浴の場に仕掛けられた収集石の情報を小さく表示して見せた。
「凄い能力ね。この件が分かっただけでも、物凄く助かるわ。ただ、このままだと、彼は牢獄行きになってしまうかも」
鑑定結果を見ながら、今も行われている教皇様の詰問は続けられている。
穏やかな教皇様らしからぬ、断罪めいたマフシロン大司教への対応に違和感が芽生えた。同時に、このまま最終まで結論を出させてはいけないとも。
「ミヤ、私、止めるわ!」
「ありがとう、私も頃合いを見て出るわ」
やっていないと叫んでいるマフシロン大司教のの元へ歩いて行く。
「ヒマリ嬢、部屋に居て下さい。今、貴女を危ない目に遭わせた者を聴取しているのです」
「取り調べなら、私が立ち会った方が早く解決します」
「しかし、危険です」
そう言いながら、教皇様は私がマフシロン大司教の横に立っていても慌てていない。
読んで下さって、ありがとうございます。
暑い日が続きますね。
水分をこまめにとって熱中症に気を付けて下さいね!
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




