表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

122/244

キメラの雷鳥さがし 61

 神聖なエネルギーが水を通して肌から浸透していく感覚が広がって、眠りに誘われるように体から力が抜けていった。まるで、ゆりかごで揺られているような安心感。


「ヒマリ嬢、大丈夫ですか?」

「教皇様、ヒマリ様の息はありますが、沐浴の深層部で何があったのでしょうか?」

「普通に話して、気を落ち着ける様に言ってから入りはしたが、彼女の意識が深く神聖なエネルギーにこうも素直に反応してしまうとは‥‥」




 あれ?陸地?天井が見える‥‥


「教皇様、ヒマリ様がお目覚めになられました!」

「ヒマリ嬢、目覚められて良かった」


 視線を移すと、教皇様が私を見下ろしている。


「いつ、陸にあがったんだろう‥‥」

「陸?寝ぼけてますね。フフ‥‥沐浴中に意識が無くなったのですよ。此処は私の離れの部屋の1つで、決まった巫女と神官しか入れない区域です。少し休んでいなさい」


 安心して寝ていなさいと言われて、重い瞼が再び閉じていく。

 ずっと休息を意識的にとっていたにも関わらず、私の意識がしっかりとしたのは、1日経った後だった。


「部屋が、暗い?夜なのかな‥‥」

「お目覚めになられましたか?今、教皇様を」

「今が夜中なら、朝にして貰えますか。お忙しい教皇様の睡眠を邪魔したくないので、お願いします」


 自分の真横で声がしたので驚いて見ると、巫女の装束を着た人が座っていた。起き抜けに、報告を後にしてくれとお願いしたのにも関わらず、笑顔で頷いてくれた。良い人だ。


「何か飲み物と消化に良いフルーツでも持ってきましょうか?」

「ありがとうございます。貴女は?」

「巫女のミヤ・トランと申します。ミヤとお呼びくださいませ」


 ミヤさんはそう言って姿を消した。しばらくして、お盆にフルーツの盛り合わせと、お水を持って来てくれて、消化に良さそうな物を剥いてくれたので、少しずつ食べてみることにした。


「私、そんなに寝込んでいたんですね。しかも沐浴中に意識が無くなるなんて、溺れてたかもしれないなんて!」


 そう考えると、私の異変にいち早く気付いてくれた教皇様に大感謝だ。


『大丈夫か、ヒマリ?』

「その声はサスケ?」

「そのホミバードはサスケ様と仰るのですね、ヒマリ様を心配されてずっと傍にいらっしゃいましたよ」


 サスケにありがとうと言ったら、そっぽを向いて何でもない事だと言っている。ツンデレだったのかサスケは。

 そんなサスケに、ミヤさんは別に用意した小さなフルーツのお皿を私のトレイの傍に置いた。


「ミヤさん、サスケが見えているの?」

「ええ、私は巫女ですから。さあ、サスケ様、こちらにどうぞ」


 まんざらでもない感じで、サスケが私の布団の上に降りてきて自分のお皿のフルーツを啄み始めた。



ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ