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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 57

 首都トルノーエスにある教皇様が住む居城で過ごす事になった私は、何もしないで過ごすのも手持無沙汰なので3回の沐浴の合間に精霊や聖獣について知識を深めることにした。

 その間の1週間、ルートやファルが先にトリコリオンとノルウェンでの調査を率先して行い、首都を後回しにしようという話になったのだ。


「おお、ジェスファーノではないか!久しいな」

「大司教のマフシロン様、オージェス様、ご無沙汰しております」


 教皇様の居城で私が自由に動けるように、ジェスファーノさんを付けてくれたけど、こうやってたまに大司教、大神官の方や神官の方が挨拶してくる。彼はとても高位の聖騎士なのかもしれない。


「そちらのお嬢さんは‥‥それは、教皇様が若い頃に使われていたローブでは?」

「マフシロン様、この者はヒマリと申しまして、とある国の王子に懸想(けそう)されて半ば呪いの様な思慕の念に、伏せがちになったため教皇様の計らいで養生しているのです」

「何と、災難な。私は大神官のオージェスと申します。何かお力添えできる事がありましたら何なりと仰ってください、ヒマリ殿」


 人当たりの良さそうなイケオジ風の2人の大司教。教皇様のローブを借りている事に気が付いたマフシロン様は亜麻色の茶色い髪を一纏めにしていて、エメラルドのような色の目をしている。

 力になりますよと言ってくれたオージェス様は、金髪の長い髪を一纏めにして青い目が印象的な風貌(ふうぼう)だ。


「外部の者が神聖な場所に立ち入ってしまい、すみません。この身体を(むしば)んでいる状況を打破する解決策を教皇様が示して下さったので、今はそのご厚意にすがっている所存です。私の方こそ、空いている時間は何かお役に立てないかと思っておりますので、掃除や床磨きなどお申し付けください」


 深々とお辞儀をしたら、何と殊勝(しゅしょう)なと驚かれてしまった。


「ヒマリ殿は浄化が目的であろう?ならば、手伝いなどせずに身体を労わり、休まれるのが一番」

「流石、オージェス様!私もヒマリ様にそうしてもらおうと、図書館に案内している最中だったのです」

「貸だし可能な物なら、部屋で読まれるのが良いでしょう」


 オージェス大司教は笑顔で勧めてくれたが、精霊の本ばかりで暇つぶしになるかと心配までしてくれた。


「ああ、その辺りはヒマリ様にとっては、勉強も出来て楽める物だと思います」


 そう言って2人から離れるジェスファーノさん。彼の後について行ったけど、何となく気になって振り返ったら、此方を見ているマフシロン大司教と目が合った。

 ルートのいない人との対面は少し怖くて、お辞儀をしてからジェスファーノさんの後を追った。



読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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