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ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~  作者: 青依香伽
第6章 問題解決に向けて

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5 遠征帰還パーティー(二日前)


 ブラン姉弟の部屋には、朝からエリーが訪ねていた。


「エマさんは、朝からパーティーの打ち合わせよね?」

「そうらしいわ」

「僕たちにも、手伝えることがあると良いですね」


 三人がソファーに座り話をしていると、ドアをノックして、部屋へ入ってきた人物がいた。ここにいるはずのないエリザベスだ。


「入るわよ。エリー、ルーちゃんお久しぶりね。あら、貴方がリアム君かしら? 私は、エリザベス・ローレン。エマとエリーの従姉よ。どうぞよろしくね」


「ローレン公爵家のご令嬢ですか? 初めまして、ブラン子爵家嫡男のリアム・ブランと申します。以後、お見知りおきを」


 エリザベスはリアムに微笑むとソファーに腰を下ろした。


「リザちゃん、来るなんて一言も聞いていないわ。王都から離れて大丈夫なの?」


「大丈夫、諸々のことは終わらせてきたわ。それに、ルーちゃんとリリーちゃんが大変な状況だと聞いて、急いで来たのよ。でも、二人とも元気そうで安心したわ」


 エリザベスはルイーズの顔を見て安心した様な表情だ。


「エリザベス様、ご心配をおかけして申し訳ございません。私はもう大丈夫です」


「本当に良かったわ。でも、ここへ来てから色々なことがあったわね。乗馬の練習はできたのかしら?」

「……練習はしていませんが、先日リオンさんに馬に乗せていただきました」


「そう……二人でどこかへお出かけしたのかしら?」


「……お花畑へ…行きました」


「まあ、やるわね! それで?」


「リザちゃん、そこまでよ」


 エリザベスの質問攻めにも、素直に答えるルイーズ。それを心配してか、エリーがエリザベスに釘を刺した。


「エリー……良いところだったのに……まあ、でもそうね。根掘り葉掘り聞くのも失礼よね」


 エリザベスは軽く反省すると、三人に向き合い真剣な顔で語りだした。


「実は、今回こちらに来た理由なんだけど、王妃様から頼まれたのよ。辺境伯夫人が亡くなられてから、当主様は後妻を迎えず女主人が不在だったでしょう? 王妃様は、そのことを心配されていたそうなの」


「やはり、そうなのですね」


「姉上は、ご存じだったのですか?」


「淑女教育を受けていたときに、貴族名鑑にも目を通していたから」


「なるほど」


 ルイーズとエリーは、目を合わせ頷き合っている。二人は把握していたようだ。

 隣国に接している辺境伯爵家が女主人不在というのは、周りから見れば心もとなく思われる。


「使用人たちの統制が取れていないことと、隣国の身内のことはエマから聞いたわ。そのうえ、隣国絡みで厄介なことが起きていることも、王妃様にお伝えしたの。まあ、王妃様はご存じのようだったけど。その上で今回、私の護衛という名目で20名ほどが送り込まれたわ」


 エリザベスの発言に対し、ルイーズが問いかけると、エリザベスその言葉に頷き返した。


「名目ということは、それ以外のお役目があるのでしょうか?」


「隣国の人間を捕縛することを想定して、王宮の騎士団が護衛としてついて来たの。今回の問題には、隣国に住むクレメント家の身内が絡んでいるでしょう? 解決するには、彼女たちがこちらに来たタイミングで、決着をつけるしかないと思ったのでしょうけど……本来、国の要である辺境伯爵家が、遠征帰還パーティーのような場で、身内の恥をさらすわけにはいかないの。それに、隣国の人間が絡んでいるから、国に逐一報告もしないといけないわ。リオンさんもそれが分かっていて、陛下に報告していたみたいね」


 リアムはエリザベスの話を聞きながら首を傾げた。

 

「恥をさらすわけにはいかない……ということは、パーティー前日までに、決着をつけるということですか? でも、隣国の方たちがいつ到着されるの分かりませんよね?」


「そうね。でも、通常であれば、遠方の者は前日までにパーティーが開催される貴族家へ入る方がほとんどなの。しかも、レアの叔母とその娘さんが参加されるのよ。クレメント家の当主と次期当主に想いを寄せているそうじゃない。この機会を逃すはずないと思うのよね」


「この機会とは、何ですか?」


 リアムはエリザベスに質問を投げかけた。


「王宮ではなく、貴族家でのパーティーよ。二人は、たいていの者は気が緩むとでも思っているのではないかしら。普段、クレメント家では、遠征帰還パーティーなんて、そんなに開催しないらしいの。それを、当主と嫡男と息女の大人三人が留守の間に開催するように仕向けて、使用人も送り込んでやりたい放題。やり方が姑息だわ。でも、相手の本気度を感じるでしょう?」



 ルイーズとエリーとリアムは、俯いたまま考え込んだ。




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