6話 人間との遭遇
時の流れは速く僕たちが転生して一週間がたった。
最初は戸惑うことも多かったが次第に慣れていき、今では一部を除き生活はかなり充実している者になっている。この一週間で行ったことは周囲の探索や魔物の撃退、魔法の練習だ。遭遇した魔物はどれもかなり強いがその分食らったときの能力の上昇も多く僕らはかなり強くなっていた。そんな僕らの現在のステータスがこちらだ。
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名前 青葉弘人・大虎煉蛇・羽風蒼真
LV40
種族 ケルベロス(白変種)
HP 10000/10000
MP 15000/15000
攻撃力 2300
防御力 600
俊敏 800
通常スキル
≪魔導士 LV9≫ ≪剣士 LV8≫ ≪大剣術 LV9≫ ≪身体能力超強化 LV6≫ ≪身体硬化 LV5≫ ≪魔力駆使 LV4≫ ≪五感超強化 LV6≫ ≪暴風魔法 LV4≫ ≪火炎魔法 LV6≫ ≪雷鳴魔法 LV4≫ ≪水魔法 LV9≫ ≪地魔法 LV8≫ ≪光魔法 LV6≫ ≪暗黒魔法 LV2≫ ≪操影魔法 LV5≫ ≪回復魔法 LV2≫ ≪回復 LV7≫ ≪能力付与 LV6≫ ≪第六感強化 LV9≫ ≪サーチ LV6≫ ≪酸耐性 LV5≫ ≪吸収 LV3≫
≪擬態≫ ≪気配遮断 LV5≫
特殊スキル
≪取得経験値分配≫ ≪自己鑑定≫ ≪帝王の威圧≫ ≪経験値取得率増加≫ ≪天の目≫ ≪身体変形 LV2≫ ≪縁結び≫ ≪縁切り≫
固有スキル
≪暴食≫
加護
サルリエの加護
所有スキルポイント0
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そしてスキルの詳細がこちら
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≪身体能力超強化≫
身体能力をスキルレベルの割合の二倍だけ上げることができる強化魔法の上位スキル。また強化する部位をしぼることで身体能力をさらに上げることができる。
≪身体硬化≫
身体を固くし防御能力をスキルレベルの割合だけ上げることができる強化系魔法の一種。また強化する部位をしぼることで身体能力をさらに上げることができる。
≪魔力駆使 LV4≫
≪魔力操作≫の頃より魔力を自由自在に操ることができる。LVが高いほど精密さが増す。
≪五感超強化≫
五感をスキルレベルの割合の二倍だけ強化することができる。(起動中)
≪暗黒魔法≫
闇魔法が進化し、空間すら捻じ曲げることができるようになった上級魔法。消費魔力は多くなるがその分威力は向上している。闇魔法も使用可能
≪操影魔法≫
闇魔法から派生し、影を操ることができるようになった上級魔法。消費魔力は多くなるがその分威力は向上している。
≪酸耐性≫
酸への耐性をスキルレベルの割合だけ上げることができる。
≪吸収≫
対象に触れている間、対象の魔力と体力を奪うことができる。吸収量はスキルレベルに比例する。
≪擬態≫
自身の姿を周りの景色に同化させることができる。
≪気配遮断≫
自身の気配をスキルレベルの割合だけ薄れさせることができる。
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見ての通りいくつかのスキルが進化した。おかげでけがをすることは減り、怪我をしても回復で瞬時に治すことができるので僕らはある程度の余裕が持てている。能力も暴食のおかげでかなり上がっているが一つ問題があった。それは魔物が不味すぎるのだ。この森で食べた魔物はゴブリン、コボルト、スライム、トレントだ。ゴブリンは以前紹介したとおり肉は固くゴムのようで生ごみのようなにおいもする。しかもとんでもなく苦い。コボルトはごみのようなにおいがしないだけましだが獣臭く、血の味しかしないので気持ち悪い。スライムは粘着質なのでのどに詰まらせないように少しづつ小さくして食べなくてはならず、酸があるので食べてるときはかなり痛い。そしてトレントはそもそも僕らの食べるものじゃない。木だもん。固いし食べたときに破片が口の中にかなり刺さる。正直言ってこんなものは食べたくないのだが、たまに見つかる果物や小動物では空腹はしのげないため魔物を食べるしかないのだ。そのため僕らは現在吐きそうになりながらもゴブリンを食べている。デザートの果物が今日は見つかったため、いつもよりは幾段か気分は楽だった。そうして食事を終わり僕らは昼寝を始めた。
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「弘と煉起きて」
「なに?僕今すごく眠いんだけど」
「俺もまだ寝てたいぞ。食事で疲れた精神を癒すのには昼寝が一番だ」
気持ちよく寝ていると急に蒼に起こされて目が覚めた。今日は天気が良く日差しがよく当たるため昼寝をして疲れた体を休めることにしていたため、起こされた煉の機嫌はすこし悪いようだ。
「一大事なんだって、さっきサーチ使ったんだけど人みたいな形のものが映ったんだよ」
「またゴブリンじゃない?」
「違うよ!身長も高くてしっかりとした鎧みたいのものをつけてるんだって!」
「マジか!それは行ってみる必要があるな」
そこまで聞くとさすがに僕らの目も覚めた。そして大量の魔法を自身にかけて人間と思われる生物のもとへと走り出すのであった。
・・・
「ここらへんだよな」
「そのはずだよ。もう一回サーチ使ってみるよ」
「おねがい蒼」
『サーチ』
「どうだ?」
「いた。右斜め前へ500メートルくらい進んだところにいるよ」
「よし、行こうか」
僕らは蒼の言っていた場所へと気が付かれないように静かに進んだ。そしてついに見つけた。鎧をまとった二人の男性と二人の女性そして軽そうな皮の装備を身に着け短剣を持っている一人の男性とローブをかぶり大きな杖を持っている一人の女性を見つけた。
「あれが人間か」
「地球と全く変わらないみたいだね。けど何やってるんだろう?」
「多分だけどあの人たちが来たの自分たちが原因だよ」
「どういうこと?」
「一週間前に使ったあの魔法が多分原因なんだよ」
「なるほどあの魔法が見られたなら人間は調査しないといけないよね」
「確かにな。あんなんが町とかに打ち込まれたらやべえもんな。そりゃあ調査にも来るか」
そんなことを小声で話しながら僕らはこの世界で初めて会った人間を観察した。そしてしばらく観察していると急にあの声が聞こえた。
【十分に記録をしました。スキル≪種族変化≫で人間への変化が可能となりました】
「うわぁ」
急な声に驚き僕は声を出してしまい、彼らはこちらを見た。幸いまだスキルの影響で気が付いていないようだったが、あれ以上こちらによられたら気が付かれてしまうだろう。
「弘、種族変化使って人間に変化して」
「そんなぶっつけ本番では無理だって」
「やるしかないの!」
小声で蒼と話し僕は無理だと思ったがここで使わなかったら彼らに攻撃されるだけだと考え、一か八か試してみることにした。
『種族変化』
すると僕らの体は見る見るうちに小さくなり、ついに人の形に変化した。身長は大体150センチと小柄で髪の色は白くおそらく瞳は青いのだろう。肌は色白で黒いローブを着ていた。そして腰には刀があった。煉と蒼はどこに行ったのだろうと思っていると頭の中から二人の声がした。
〈おい弘聞こえてるか?〉
〈どうやら頭が一つの生物に変化するときはスキルを使った本人だけが表に出て体を動かせるみたいだよ。けど自分らもスキルとかは使えるみたい〉
二人の声が頭の中から聞こえる不思議な状態だがひとまず人に変化すること自体は成功したようだ。
「そこに誰かいるのか!いるならすぐに出てこい!」
変化に驚いていると一人の男が声をかけてきた。種族変化以外のスキルを解き急いで姿を見せると彼らはとても驚いていた。
「どうしたんですか?」
「いや・・・まさか隠れていたのがこんな子供だったとは思わなくてな」
「君はどうしてここにいるんだい?ここは獄獣の森と言ってとても危険な場所なんだよ」
僕たちのいた場所は獄獣の森というらしい。ひとまず僕らが死んだということや転生したこと、魔物であることを隠して話すことにした。
「僕本当はこんな森じゃなくて大きい街にいたんです。けど気が付いたらこんなとこにいて・・・」
「そうか、君は見たところ13歳くらいだが名前を教えてくれるか?」
「はい!僕はヒロっていって17歳です」
とりあえず僕は日本人のような漢字の名前は目立つだろうと考え二人に呼ばれているヒロと言うあだ名ででこの世界では生きることにした。
〈弘がヒロって名前で生きるなら俺はレンだな〉
〈だとすると自分はソウか〉
こうして僕らのこの世界での名前が決まった。
「ヒロくん、ひとまずここは危険だから森を出たところにあるインフェルタウンという街があるからそこに行こう」
「わかりました。しばらくの間ですがよろしくお願いします」
こうして僕らは人間の街に行くことになったのであった。