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転生ケルベロスの異世界冒険記~幼馴染と無双します~  作者: ラノ
第一章 日差シ込ム森ノ白銀狼
4/8

3話 ゴブリン討伐と初めての魔法

今回は普段より長くなっています。

「弘、左斜め前からゴブリンが飛び降りてきた」

「了解!」

「弘!右後ろだ!」


僕たちはそれぞれが役割分担して戦っていた。まず僕が体を動かし敵の殲滅と攻撃の回避、蒼は左側の警戒、煉はその反対の右側の警戒だ。


「にしてももう50匹は倒したはずなのに全く減ってるように感じないんだけど」

「多分だけど最初に見た百匹は第一陣とかでどんどん増えてるんだと思う」

「蒼の言ったとおりだぞ。さっき茂みから新しく5匹ゴブリンが出てきたの見たからな」

「まじか」


どうやらゴブリンはまだまだ増え続けているらしい。


「くらえぇぇ」


ドゴン


僕が腕を振り下ろした勢いでかたまっていたゴブリンを3匹ほどまとめて倒すことができた。


「ケルベロスってやっぱり強いんだね」

「でしょでしょ、ケルベロスはかっこいいんだけじゃないんd「蒼!今そんな話してる場合じゃねぇぞ!」ごめん・・・」


そんな会話をすることができるくらいには僕らは余裕をもって敵と戦うことができていたが、僕はあとこれがどれだけ続くかと考えると憂鬱になった。


「弘頑張って」

「そうだぞ!サポートは俺たちに任せろ」

「うん、ありがとう二人共」


まだまだ戦いは終わらないが僕は二人がいることに心強さを感じ戦いに集中した。


・・・


「ぜぇぜぇ」

「さすがにこんだけ戦ってるときちぃな」

「大虎道場行っててほんとうによかったね」

「うん、おかげで集中を切らさずまだ戦えてるもんね」


戦い始めてもう2時間が経とうとしていた。僕らの倒したゴブリンは500を優に超え、あたりは血の海と化していた。


「あとどれくらいいるのかな?」

「近づいてくる気配の量はかなり減ってきたし多分あと300~400匹くらいじゃないかな?」

「あぁぁぁもう嫌だぁぁぁ!」


僕はどんどん増え続けるゴブリンに嫌気がさし少し集中が途切れた。そのすきを狙い一匹のゴブリンが僕に魔法と思われるものを放った。そしてそれは僕の足に直撃し僕は体勢を崩して倒れてしまった。


「いたっ」

「体を共有してると感覚も共有してるからつれぇな」

「早く立って、ゴブリンが狙ってきてる」


倒れた僕らを見てゴブリンはチャンスと感じたのか一斉に魔法を放ってきた。それは僕らの体中に深い傷を作った。そして一発の魔法が僕らの顔に向かって飛んできた。


「うぅぅ、痛いよぉ」

「やべぇ、こんなんになってまで戦えないぞさすがに」

「さすがにもう無理か、まさか一日で二回も死ぬなんてね」


全員があきらめ最後に魔法を一目見ようと顔を上げた。とても綺麗で美しい風の魔法だった。

しかし僕はそれを見てただただ死を受け入れることをやめた。

自分でも世界を冒険して魔法を使いたい、まだもっと生きたいと思ったのだ。それは二人も同じようだった。


「最後まで悪あがきしてやる!」

「「ああ!」」


そして僕は魔法に()()()()()()。するとどこかで聞いたような気がする機械音じみた声が聞こえた。


【固有スキル≪食吸収≫が発動します。MP10up HP3up 属性魔法≪暴風≫を獲得しました。】


「なんだ!」

「今声が聞こえたよね?」

「それだけじゃないよ!さっきの魔法で自分ら傷一つついてないよ」


声ばかりに気を取られて気が付いていていなかったがたしかに僕らの顔には何の傷もついていなかった。


「さっき確か魔法を獲得したって言ってよね?」

「確か暴風魔法っていってたよ」

「使えるんじゃねえか?」


僕らはこの状況を打開できるかもしれない一つの手を手に入れ希望が胸に広がった。

そして僕は魔法を使うことにした。不思議と今自分が使える魔法がわかった。


「使える中で一番威力が高いのはトルネードだな」

「けど自分たちの命の危険も高いみたいだね」


蒼が言ったようにトルネードは敵味方関係なく巻き込み破壊する魔法だ。本来は安全な遠距離から敵を狙って発動させる魔法であるためこの距離では僕たちへの被害も大きく最悪の場合死の危険すらありうるのだ。しかし現在の僕たちにとってそんなことはどうでもいいことだった。なぜなら


「命の危険?そんなの今の僕たちにそんなの気にしてる余裕はないでしょ」

「そうだぜ!どうせここで使わなかったらゴブリンどもにやられるんだ。なら一匹でも多く道連れにしてやったほうがいいだろ」

「確かに二人の言ったとおりだね。」

「じゃあ発動しようか」


僕たちは意を決してそれを発動した


『『『暴風魔法トルネード』』』


三つの竜巻が僕らを中心として暴れまわった。それは通常のトルネードではなかった。三つの竜巻が互いの威力を打ち消すことなく逆に威力を向上させているのだ。三人が発動させたバラバラの魔法は一つの魔法へと進化した。その名はトリニティーサイクロン。術者を中心として展開され敵のみにダメージを与える対軍団魔法である。三人は知らなかったがゴブリンを率いてる魔物はゴブリンロ-ドという準魔王級の化け物であり、トルネードでは死ぬことのない魔物だった。しかしトルネードが進化したことにより抵抗むなしく竜巻によりその体は引き裂かれたのだった。

そして戦闘が終わり静寂がおとずれた。


【戦闘の終了を確認しました。獲得経験値を計算します・・・計算完了。上昇レベル数を計算します・・・計算完了、青葉弘人はレベルが26に上がりました。スキルポイントを52ポイント獲得しました。続いてレベルの上昇したスキルを確認します。

≪食吸収 LV3≫ ≪魔導士 LV4≫ ≪剣士 LV2≫ ≪魔力操作 LV4≫ ≪五感強化 LV5≫ ≪暴風魔法 LV2≫ となりました。確認を終了します】


静寂を切り裂きあの機械音がまた聞こえた。何やらよくわからないことを話していたが僕たちの疲労は大きく、その声の中で僕たちの意識は一度途切れた。


・・・


side???

私は獄獣の森の近くにあるインフェルタウンのギルド長を務めているアラカ・スタンドだ。最近、獄獣(ごくじゅう)の森の魔物の活動が活発になったことでその対処に追われ家に帰ることができずにいる。そのため妻に捨てられないか憂鬱な日々を過ごしている。これ以上の問題なく終わるといいのだが・・・


「ギルド長!つい先ほど獄獣の森で対軍隊魔法であるトリニティトルネードの発動が確認されました!」

「トリニティトルネードだと!あれは30人の魔導士が何日もかかって発動することのできるものだろう!まさか帝国が侵略してきたのか!?」


私はあまりの衝撃に目を見開いた。帝国とはこの炎陽国アマテラスの隣に位置しする覇王国グラトニアのことを言う。もし本当に帝国が進行してきたとしたら大問題だ。


「すぐに王都へと報告せよ!」

「了解しました!」


私のこれ以上の問題なく終わってほしいという願いは神には届かなかったようで妻との関係を心配し、泣きながら私は仕事に戻った。


・・・


「・・ろ」


何やら声が聞こえる。僕はどうしたのだろう?


「・きろ」


そうだ、確か僕はゴブリンの群れと戦って魔法を発動させたんだった。あと何か忘れてる気がする・・・


「おーきーろー!」

「うわぁぁ!」

「やっと起きたね弘、自分たちが目を覚ましても起きないから心配したんだよ」


そこで僕はすべて思い出した。どうやらかなり長い間気絶していたらしい。


「ごめん二人とも、僕はもう大丈夫だけど二人はどう?」

「俺は特に問題ないな」

「自分も」


どうやらみんな大きな問題はないらしい。


「にしても体中がいてぇな」

「本当にね」

「けどあれだけの攻撃受けても痛いですんでる自分たちの体すごいよね」


確かにそうだ。確かに痛いし血も出てるとはいえあの攻撃を食らって生きている僕らの体はとても丈夫だと思う。


「まぁそれはいったん置いといて」

「蒼?どうしたんだ、いつものお前ならケルベロスの魅力をここから2時間くらい語りだそうとするのに」

「確かにね」


異世界狂いの蒼ならここで話を区切るのはおかしいと考え煉の意見に賛成する。しかし蒼はそれを聞き信じられないという顔をした。


「あの機械音みたいな声について気にならないの?絶対異世界関連で面白いじゃん!」

「あっ、いつもの蒼だ」

「何か変な魔法食らったんじゃないかと心配したぞ」

「二人ともひどくない!?」

「でも確かに気になるね。どっかで聞いたことある気がするんだけど」


僕らはどこで聞いた声か思い出すために必死になって考えた。そして


「あれだ!」

「どうした弘?何か思い出したのか?」

「みんな、死んだときにもあんな声聞こえなかった?」


僕はトラックに轢かれたときにあの声を聞いたことを思い出した。


「確かになんか聞いたね」

「確か異世界に転生する権利を授かったとかスキルを獲得したとか言ってたよな」

『自己鑑定』

「「蒼!?」」


煉と二人で話していると急に蒼がスキル名らしきものを口に出した。


「二人ともこれを見て」


僕と煉は蒼の見ている方を見て驚愕した。そこには青白く光る謎の板があった。そこには僕らの情報と思われるものが書いてあった。


・・・


名前 青葉弘人・大虎煉蛇・羽風蒼真

LV26

種族 ケルベロス(白変種)

HP  300/5000

MP  100/10000

攻撃力  500

防御力  100

俊敏   200

通常スキル

≪魔導士 LV4≫ ≪剣士 LV2≫ ≪魔力操作 LV4≫ ≪五感強化 LV5≫ ≪暴風魔法 LV2≫

特殊スキル

≪取得経験値分配≫ ≪自己鑑定≫


固有スキル

≪食吸収 LV3≫


所有スキルポイント156


・・・


「これ俺たちの能力か?」

「多分そうだと思う」

「やっぱ異世界最高だぁぁぁぁ!」


僕と煉で目の前のことに困惑しているのに対し蒼は一人だけ楽しそうだった。

スキルポイントは156で間違いありません。それぞれが52ずつ獲得しているため合計で156ポイント獲得しています。LVは魂の成長率なので一つ体に三つの魂の入ってる弘達はスキルポイントを通常の3倍手に入れられるというチートを持っています。しかしこれは≪取得経験値分配≫で弘の倒した魔物の経験値を三人で共有しているため結局LVが上がるまでは時間がかかります。それでも常人の1.5倍ほどスキルポイントをもらえるためかなり強いです。

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