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0話 ある朝の日

はじめしての方も久しぶりの方もこんにちは。久しぶりですね。ついに受験が終わったので私の別作品である時の勇者とともにこの作品の投稿を始めようと思います。作風はかなり変わる可能性がありますが気にせず楽しんでくれれば幸いです。間違いや疑問があればご指摘をお願いいたします。できる範囲で変更いたします。少し長くなりましたが「転生ケルベロスの異世界まったり活動記~幼馴染と無双します~」をどうぞお楽しみください。

「いってきます!」


僕の名前は青葉弘人(あおばひろと)吉野原(よしのはら)高校に通う2年生だ。成績は悪くはないが胸を張れるほど高くはなく、運動もそこそこで人より優れている点を聞かれればいろいろ器用だということだろうか?そんなどうでもいいことを考えながら僕は学校に向かうために家を出た。


「さむ!」


数日前まで暖かいどころか暑いまであったのに急に寒くなり、秋はどこへ行ったのだろうと思いながら僕は歩き始めた。


・・・


「うお」


急に首がひんやりとしたため驚いて声を上げると後ろから声が聞こえた。


「よう!弘」

「おい煉!驚かすなよ!」


後ろから忍び寄り首に突然手を当ててきたのは僕の幼馴染で名前は大虎煉蛇(おおこれんた)という。みんなからは(れん)と呼ばれており、大虎道場の跡取り息子だ。大虎道場は戦国から伝わっている大虎流戦闘術の道場であり、多くの武勲を上げた大虎炎獅(おおこえんじ)の開いた道場だ。入門生には安全な技しか教えられていないが跡取りである煉には当時実戦にも使われていた危険な技まで教えられているらしい。座学の成績は少し低いみたいだが運動神経がずば抜けていてみんなの憧れだ。


「最近急に寒くなったよな」

「本当にね。ほんの少し前までは暑かったのに秋はどこに行ったんだろう」

「異常気象で最近は色々大変だから来年は落ち着いてくれるといいな」

「そうだね」

「おーい、弘、煉」


他愛もない話をつづけながら僕と煉が歩いていると後ろから声が聞こえた。


「やっほう二人ともおはよう」

「おはよう蒼」

「おはよう!」


僕らを追ってきて息切れしている彼は羽風蒼真(はかぜそうま)といい、僕と煉の幼馴染だ。(そう)と呼ばれており、運動はできなくはないが苦手でいつも本を読んでいることが多い。成績は優秀でいつも学校で一番の成績をたたき出しており将来が有望だ。いつも学校では難しい本を読んでいる蒼は天才と話す内容がないと思われているためか周りからは避けられているがひそかにファンクラブを作られるくらいにはモテている。そんな蒼には彼の家に行ったことのある僕と煉だけが知っているだろう秘密がある。秘密といっても聞いてくる人がいないだけだろうとは思う。なんたってその秘密は異世界転生ものが大好きで家には有名どころはもちろんマイナーな転生ものの小説までたくさんあるということで本人は秘密とも思ってすらないだろう。僕たちは毎週日曜日はみんなで蒼のうちに集まり本を読んだりアニメを見ている。ちなみにその前日の土曜日は煉の父親に三人で一日中しごかれているので蒼の体育の成績が悪くないのはそのおかげだったりもする。


「そういえば俺たちが付き合い始めて何年たつんだろうな」

「大体15年くらいになると思うけど」

「そっか、もうそんなにたつのか」


保育園のころからの付き合いで小中高すべてでクラスも一緒であり、家がかなり近いため登下校もほとんど一緒にしているので学校でも僕たち三人はセットで見られていることが多い。しかし特に目立った特徴のない僕を良い目で見ないものもいて絡んでくるものも少なからず入るが、幼いころから大虎道場で鍛えられている僕はそれなりに強くすべて手早く終わらせている。このことは二人には一度も言っていない。気づかれるとこの関係が終わってしまいそうで怖いからだ。


「どうしたの弘?」


そんなことを考えているとあまり会話に参加できていなかったために蒼に声をかけられた。


「おい弘、なんか心配事があれば俺たちにすぐ相談するようにしろよ」


どうやら煉と蒼には僕に心配事があると感づかれたらしかった。


「大丈夫だって、特に何かあるわけじゃないから」

すぐにそう答えたが二人は疑うように僕のことを見てくる。

「大丈夫だって」

「まあいいけど何かあったら相談するくらいしろよ?」

「そうだよ。自分たちにだってできることはたくさんあるんだから」

「わかったから」


心配をかけてしまったらしく少し申し訳なく思いつつ僕はうそをついてこの場を免れるのだった。


・・・


35分ほど歩くと学校が見えてきた。


「やっぱり歩きだと地味にだけど時間かかるよな」

「でも自分たちの家は自転車通学の許されない地域内だからしょうがないよ」

「といってもその一番端のほうだけどね」

「隣の家の奴なんか自転車通学が許されてんだから俺らもいいじゃねえか」

「僕らの高校って校則厳しいよね」


やっと学校の門が近づきそんな話をしていると。


「危ない!」


校門の前に立っていた先生がこちらを見て大きな声で叫んだ。

後ろから車のブレーキ音が聞こえて振り返るとそこには大型のトラックがこちらに突っ込んでくるところだった。


ドン


衝撃とともに強い痛みを感じながら僕たち三人は吹き飛ばされた。

痛みで何も考えることができずただ苦しむことしかできなかった。しばらく時間が経ち遠くに救急車の音が聞こえてくるころには意識がだいぶ遠のいていき目の前が暗くなっていった。

周りでは大勢が騒いでいるようだがその言葉は理解できず、動かない体と激痛から僕の死が迫っていることが嫌でも理解できた。薄れゆく意識の中で頭の中を様々な場面が横切った。これが走馬灯というものなのだろうか。


(まだ生きていろいろなことしたかったな)


一緒に轢かれた煉と蒼のことが頭を横切った。


(二人も死んじゃうのかな?三人でもっとたくさん遊びたかったな)


こんなところで死にたくない、こんな死に方なんて嫌だ。

そう思いながら意識を僕は手放した。


【おめでとうございます青葉弘人様、あなたは新しい星での第二の生を授かる権利をを得ました。弘人様には特典として≪魔導士≫≪剣士≫≪魔力操作≫≪五感強化≫≪取得経験値分配≫≪自己鑑定≫のスキルを付与します。また≪経験値取得率増加≫≪天の目≫をスキル獲得メニューに追加します。それでは転生を始めます】


機械音じみた謎の声が聞こえたような気がした。


・・・


風の吹く音がした。腹の下には草があたり、小鳥のさえずりも聞こえてくる。意識がはっきりとしてきて目を開けた。そこは木々に囲まれた小さな広場のようで体にあたる日が暖かくて気持ちが良い。

先程の事故は夢のことだと判断し、ひどい夢だと思いながら左右を見るとそこには大きな犬の顔がひとつづつあった。それらがゆっくりと目を開きこちらを見た。


「ぎゃあああ」

「うおおおお」

「うわあああ」


それぞれがそんな声で叫び全員が落ち着くのには10分ほどかかったのであった。

一人称は

弘人「僕」

煉蛇「俺」

蒼真「自分」

になっています。

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