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魔法の発展した世界  作者: 赤身ステーキ
1章
4/4

#1.新たな生活

 人が沢山当たりに見え、森は無く、当たり一面建物だらけで街の中心には大きな城が建っている。そんな一見すると普通の様な光景は彼にはとても真新しい物を見る様だった。


 ☆


 やぁ、僕の名前はアモン・エルビス!今日は晴れて学校に入学することになったんだ!

 森の奥にある田舎町に住む僕が何でこんなにもすごい街の学校に通えるのかは全くもって不思議でしかないが、そんな事よりも、当たり一面美味しそうな匂いや綺麗な魔道具、綺麗な服にかっこいい杖!もう、とてつもなく楽しいよ!

 ここで僕は新しい生活が始まるんだと思うと、ドキドキとワクワクが止まらない!でも、父さんと母さんから離れての生活って、何だか寂しい気もするけど、今は学校を楽しむぞぉ‼︎



 ここは「オルディナ国立魔法学校」であり、有名貴族やエリート騎士の家系の者たちが通う学校である。入学する年齢は決まっておらず、最年少で10才と言われている。そんな学校であるからこそ、学校の生徒達は何処か子供を捨てた様な感じを醸し出しているのだが、アモンは違った。


「新入生代表、アモン・エルビス!」

「はーーーい‼︎」


元気よく挨拶をするアモン、周りの生徒は彼に対した噂を口にしていた。


「あいつ、今回の新入生最年少だってよ」

「なんか子供っぽいなw」

「そう言うなって、12歳だってまだ子供だろ」

「あいつ、田舎町に住んでるのに家名持ちなのかよ」

「なんでそんな奴が田舎にいんだよ」

「知るかよ」


そんな噂が飛び交ってる中、アモンが口を開く。


「どうも!皆さん初めまして、アモンです!これから皆さんと仲良く楽しく、学校?生活を楽しみますので!よろしくして下さい!」


とんでもない挨拶であった。入学するのにも一定の魔法知識と能力、家名持ちという決まりがあり、尚且つ卒業するのに必要な試験も難問ばかり、死人が出るのが当たり前のようなこの学校で、そんな友達作りにきましたと言っているような挨拶はその他の新入生、並びに職員を恐怖させた。


「以上です!」


 ☆


 入学式が終わり、その後各自決められた教室に向かっていく。そこが、これから共に切磋琢磨し、時には切り落としあう空間である。


「学校って、どんな感じだろう!そういや、教会でも読み書き教えてくれたけど、そんな感じなのかな?なんだか楽しそう、」


勢いよく扉を開ける


「おっ邪魔しまーーーす‼︎」

『……………』

「あり?」


場は静まり返っている。アモンが住んでいたところには騒がしい騒音などは無かったが、虫の鳴き声や草木の揺れる音、川の音があり、音がないわけではない。この場所は何も聞こえないのだ。皆、顔の表情が強張り、緊張しているのが伺える。


「え、何皆んな緊張してるの?別に殺し合う訳でもないのにさ?」

「は?お前バカじゃねぇの?」

「何もしらねぇで代表になったのかよ…呆れるわ」


疑問をかけると倍で罵られた。意味がわからなかった。だが、自分の近くに座っていた女の子が口を開いてこう言った。


「クラス内で…殺し合いするんだよ…」

「は?はいぃぃぃ!!!」


 ☆


 辺りは資料の山、適当に置かれて放置されている魔石、そんな中、ポーションを空気のように体内に含ませながらレポート書いている男がそこにいた。



 俺はトート・パナケイア、研究者だ。主に行う仕事は新魔道具の作成、魔道具の不具合調整、そして、アイデア出しだ。死ぬ…地獄かここは…。

 父と母は別の部署に所属していたが、国直属の施設で尚且つ最重要機密の魔道具作成に関わっていたせいか、研究者として入った時には記録が何一つ残されていなかった。まぁそうだろう…この国は腐っているんだから。皆んなだって同じ事を思っているだろう。みんなわかってるが、言えないんだ。言ったところで何も変わらない。何かを変えようとしても、存在を消されるだけだと。


 ☆


 彼は自分の事をネガティブに捉え、どんな事を成しても何も顔に出さない。同じ部署の人達からは『悪魔』『神様』『関わってはいけない奴』など、殆どがしょうもない名前ばかりだ。


「あいつ…また死んだ魚のような目で仕事してるよ…」

「マジで死にそうで怖いんだけど…止めたら?」

「止めたけどヨォ…聞く耳持たねぇんだよ。何言ったって止めねぇ。仕事でしか動かなねぇんだよあいつは」


 外野の声が聞こえる、あの時嫌な記憶を忘れたいが為に仕事にのめり込んでいるのは自分自身だが、そこまで怖がられることは無いだろうと考えてしまう。


「あの…何か?」

俺は声をかける、すると向こうは怯え、

「え!?い、いや…なんでも無いよ!」

「そうですか…」

(完全に空気を悪くしてるな俺)


そう、思った。

出来上がった資料を研究室の代表に渡すと、代表から話を渡された。


「トート、お前疲れ切って無いか?」

「いえ、そんなことは無いです。」

代表はため息をつき、こんな事を提案してきた。

「お前、隣国の学校に転勤な」

「はぁ…は?え、ちょ!?それどういう事ですか‼︎」


俺にはまだ渡されているプロジェクトが幾つも残っているそれをほっぽって学校に行けと??何を考えてるんだ…


「この国は閉鎖的で、自国の事しか考えていない。お前は賢くて、この研究所の誰よりもすごい奴なんだから、他国に売っても商売出来るものとか自分の目や耳で確認してきてくれ。」

「あの、俺の研究は…?」

「それならさっきから噂話してる暇人共がいるからな。そいつらに任せるよ。もちろん、雑な仕事はさせないつもりだよ。」


まぁ、代表は一度言えば引き下がらないだろうし、これ以上話をしても面倒なだけだ。さっさと行って、すぐに帰ろう。


「わかりました。行ってきます。」

「おぉ!助かるよ!今回は国王にもすでに許可は貰ってる。頑張ってこいよ!」

「……はい。」


そして俺は隣国の平凡な国、オルディナ王国に向かった。


 ☆


 オルディナ王国は我が国と比べて薬の匂いや焦げた臭いが全くせず、辺りは木、水、草原。自然に溢れている。中央都市はそんなことは無いが、それでも人が多く溢れており、屋台や商店が各場所で賑わっている。


「ふむ、主に商業に関わる魔道具なんかを考えても良いかもな。そういえば、この国はアイテムバックは持っていないのか?」


 我が国では無属性を利用したアイテムボックスを拡張することができる補助魔道具、アイテムバックが存在する。魔力消費はほぼなく、だれでも家一軒分は中に入る程度の広さには拡張できる為、利便性はあるのだが。


「見た感じだれも持ってないな…我が国では外には売っていないのか?」


 うちの国は情報を外に出したく無い秘密主義なところがある。というか、そんな情報を大量に持ってる俺って、実は結構やばい立ち位置なのでは?


「取り敢えず、学校に向かうか。入学式までに間に合うかな?」


正直、大人の俺でもこんな人混みのすごいところで、入り組んでいたら、迷子になりそうだ。


 結局、入学式には出ることは叶わなかった。学園長からは気にしないでと言ってはくれたが、とても申し訳ない気持ちでいっぱいだ。


(それにしても…なんだこの学校、教室の近くまで行くと緊張感のようなものが空気に伝わってくる。俺がビビってるだけか…)


この学校、何かおかしいぞ。そう思ったが、自分が初めての場所で緊張しているだけなのかと思い、気に留めるだけでそれ以上は何も考えなかった。


「ここが、君の担当する教室ね。あとこれ今日の授業の内容だから。君にはこれから僕の授業内容で半年やってほしいと考えているからね。まぁ慣れる為の研修だと思って頑張ってね」


理事長からファイルが渡される。その中にあった最初の授業は…


「“クラス魔法力測定”ですか…」

「うむ、君も知っての通り、この国は平凡だからね。なるべく記録を伸ばせる様な人材を見つけるか、育ててほしい。君は、優秀だと王からも聞いているからね。期待してるよ!」

「はぁ…まぁ頑張ってみます」


そういい、理事長は俺のところから去り、クラスに入る事になった。

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