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under 500 Ⅱ

スパマクイーン

作者: 一場あゆむ

あれはなんだ。異様な光景だ。女王様か?


背筋をピンとさせている。ゆったりと、歩いておられる。美しいピンクのフリフリのお洋服を、お召しになられている。


スーパーマーケットには、似つかわしくない。貴族感を醸し出している。


無言だ。無言でメモを見ながら歩いている。後ろに彼氏を従えて。


一言も会話がない。彼氏は、少し離れた真後ろにいる。ただ、カートを引いているだけだ。


メモを見て、ゆっくり歩き、商品を取る。それをゆっくり、カゴに入れる。


流れるように、ゆったりと。しかし、服従感は否めない。


そんな光景に、ずっと見入ってしまった。気付けば、特売のたまごの棚は、ガラガラだった。


「今日は、たまご無し親子丼かな」

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