第4話
家族から一通り賛辞が送られると次の話題になったのはスキルについてだった。
「スルト、ジョブについて説明しよう。」
父レイトはそう前置きをすると俺にこの世で最も重要だと言われているスキルの主な働きと能力を教えてくれた。
「ジョブとはこの世の事象に働きかける力を持つものだ。ジョブにあるスキルを使うと本来の人間では起こさないような事象をかんたんに引き起こせる。その効果には差があってな。上位のジョブになればなるほど数は限られるがとてつもない力を発揮できる」
それにと父は続ける
「ジョブはそれこそ人の数ほどあるが数がもの凄く少ないものも中にはあってな。それらはまとめてユニークジョブと呼ばれるのだが、ユニークジョブは基本的に他のスキルより強い力をもっている」
父は期待の篭った目で俺を見つめる。
「ジョブというのは8歳になってから、教会で儀式を経て授かるものだ。まぁ、8歳じゃないといけないわけではないが出来るだけ早く取得したほうがジョブになれやすいからな。基本的にはみんなすぐ取得する」
父が何を言いたいのか、幼い俺でもわかった。兄達や母も思っているだろう。
「小さい頃から優秀だったスルトは一体どんなジョブを授かれるのだろうな。私は楽しみだよ」
やはり、ジョブのことだった。兄上達も頷きながら
「スルトは幼い頃から賢く礼儀も正しくまた運動神経にも恵まれているからな。ジョブはその人の能力に適したものが与えられるから、きっとスルトは素晴らしいジョブを授かれるな」
「俺は運動神経は良くて、速さが取り柄だったからか"速剣士"というものをもらった」
ライト兄、リート兄がさらに詳しく教えてくれたが…リート兄は速剣士か。
「リート兄さんの速剣士って剣士の上位ジョブですよね?」
リート兄さんはいかにも嬉しそうに頷いた後少し悔しそうにしながらライト兄さんの方を見た。
「でもライト兄さんの方が凄いんだよ。ライト兄さんのジョブは…」
「僕のは"皇位魔術師"だったよ」
リート兄さんを遮って話す。
「皇位魔術師は基本的な魔術の威力が他の人より高いというだけだよ。リートみたいに何か優れてるってわけじゃない」
「そんなわけないよ!」
リート兄さんがいきなり大声を出す。
「皇位魔術師は俺の速剣士に似てる炎魔術師や風魔術師みたいに何か1つの属性を強化するものと違って全ての属性を強化するものなんだから。俺の完全上位互換だよ!」
「それに皇位って10万人に1人って言われているの。この世界でも10,000人ぐらいしかいないジョブなのよ」
興奮してるリート兄さんと母さんの言葉で、ライト兄さんがいかに凄いかがよくわかる。
「そうよ。ライトはとてつもない才能を持っているし、リートもそこらの人達より優れた才を持っているもの。きっとスルトも優れた才能を手に入れるわ」
微笑んだ顔を向けて頭を撫でる。
「明日早速教会に行って、スルトのジョブを授かってこようか」
父は俺を見つめながらそう口にするのだった。
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