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プロローグ これからの方針

アリスの言いなりになっている気がしないでもないが、やはり僕ではこれと言っていい考えが浮かばないのも事実なのでとりあえず彼女の言う計画案とやらを聞いてみることにする。


「それではまず計画案について話す前に地球統一政府の現状を説明させていただきます。」


そう言ってアリスはそれこそ無数のグラフや画像を僕の前にホログラフィックで映し始めた。


「これらを見ただけではわかりにくいと思うので簡潔に説明させていただきます。まず、月面地球人類文明補完施設NOAHも多大な被害を受けました。これにより保管されていた人類の遺伝子情報が失われたため、緊急時用に計画されていたクローニングから始める人類の遺伝子プールの維持と人類種存続が絶望的になりました。幸い人類の遺伝子情報以外、つまり動植物の遺伝子情報は全て無事です。そのほかの被害と致しましてはNOAHで稼働していたA.L.I.C.E規格アンドロイドの6割が失われました。具体的には2400万体のアンドロイドが失われたことになります。

これらの事から人類存続という目標は達成困難だと思われます。

また、無事なものはいくつかの資源保管庫、大小の特殊プリンター、テラフォーミング機材、ARK人員用の生活用ドーム、人類文明のあらゆる電子化されたデータが無事です。」


分かってはいたけど、どうしようもないほどに状況は絶望的らしい。

幸いなのは今いる生活用ドームがあるのとテラフォーミング機材が無事なことか。


「以上を踏まえまして、瑛士様にはまずコールドスリープをしていただきたいと考えています。」


「え、それってとんでもなく長い間眠らなきゃいけないって事だよね?」


「はい、その間に残りのアンドロイドを総動員して各種技術の研究、物資の備蓄をしたのちに播種船を建造、それを用いて人類種もしくは人類に近しい遺伝子を持つ種族を捜索しそれらの遺伝子情報を研究し地球人類再興への足掛かりとしたいと考えています。」


「分かった、そういう事ならコールドスリープに応じるよ。ただ、寝てる間にまた隕石が飛んでくるとか何かの拍子に死んじゃうんじゃないかとかとんでもなく不安なんだけど、その辺はどうするんだ?」


「そういった事態に陥らないよう全力で取り組むつもりではありますが、まず喫緊の懸念事項として瑛士様が考えていらっしゃるのは私達アンドロイドによる反乱かと思われますのでその問題を全てのアンドロイドの制御を一括管理する上位者としてAdam, Eve, Aliceの三者を開発製造し、それぞれ瑛士様に従うようプログラミングした上で相互に監視させます。」


確かに、2050年初頭にアンドロイドによる反乱未遂事件が発生したのもあるからそこが1番の不安ではあった。

寝首かかれるとかゾッとするしね。


「それなら確かに安心できる。その方向でお願い。」


「何か希望はありますか?なければコールドスリープに入っていただく準備を始めさせていただきます。」


「その、宇宙人に会いに行くって聞こえたんだけど、もし敵対とかしたときにはどうするの?」


「はい、その場合はこれからの技術の発展度合いによりますが逃亡、もしくは迎撃用にアンドロイド主体の防衛軍とその宇宙艦隊の設立を考えております。」


いきなり宇宙戦争とかは勘弁してほしいけど、確かにそういうのがないと怖いのも事実だからないとダメだろうな、めっちゃ怖いけど。

とんでもなく不謹慎だろうし、僕も悲しいのだがそんなことばかり言っていられないし前を向いていかないと。

それに宇宙戦艦とかって心躍るよね!!

SFかっこいいよね!!!


「その方向でお願い!なんならカッコいい感じにしてほしい!!」


「…見た目については鋭意努力させていただきます。」


「うん、ごめん、熱が入りすぎた。」


「いえ、問題ありません。他に何か要望はありますか?」


「…地球人類全てのための慰霊碑を作って欲しい。」


「かしこまりました。謹んで作らせていただきます。」

アリスは真面目な表情で頷いてくれた。


僕にはこんなことしか出来ないけど、忘れないで欲しいんだ。

アンドロイドにも、もちろん未来の僕自身にも…そして何よりこの宇宙に地球があったことを忘れないでいて欲しい。


「それではコールドスリープを始めますのでこちらにどうぞ。それ用の設備はすでに完成しておりますので。」


「わかった。」


ーーー


「おやすみなさい、瑛士様。」


「おやすみ、アリス。寝てる間のことを頼んだ。」


「はい、頼まれました。安心してください。私はいつまでも瑛士様のお側にいますから。」

アリスはコールドスリープ開始用のボタンを押し僕が眠るまで優しく微笑みかけてくれていた。

その顔は物語に出てくる天使みたいでとても美しかった。

のんびり書いていこうと思っています。

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